久しぶりの「まいにち、東郷!」は第1巻のラストを飾る「色あせた紋章」から。
ゴルゴ13 (Volume1 ビッグ・セイフ作戦) (SPコミックスコンパクト)
- 作者: さいとう・たかを
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2002/09/30
- メディア: コミック
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ハンガリー秘密警察の長官・クリューガーからの依頼を受けたゴルゴ13。
依頼内容はハンガリー秘密警察の副長官・セルゲイ少佐の殺害及び、自身が亡命するチャンスを作り出すためのソ連保安部のキニスキー部長の殺害。
……だけど、今回のお話はその前の「ゴルゴがクリューガーと接触するまで」の部分から学びます。
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スキーを使って山を降り、そのままハンガリー秘密警察の偉い人になりすましたままその本部に正面から堂々と入り込むゴルゴ。
「こんな人間はいない」と言われると「上官にそんな無礼を働くとは!」みたいな感じで徹底して強気に出て、ようやく依頼主であるクリューガーと接触することになる。
ゴルゴの素性を知るクリューガーが執り成して事なきを得たものの、ひと段落ついたところでクリューガーは釘を刺す。
早い話がゴルゴが正面から普通に名乗って来てくれれば、そのまま素直に接触できるという準備を整えていたのに……
これである。
何処の組織にも属さないフリーランスの殺し屋であるゴルゴ。
用済みになったら消される可能性なんて、日常茶飯事である。
「ハンガリー秘密警察の人間である」という既成事実をゴリ押しで作った結果、ゴルゴは自分自身の身を守る保険をかける事に成功している。お見事。
ストーリーとしてはここからまた一つ転じて、やっぱりというかクリューガーがゴルゴを嵌めようとする。
しかしそれも見越していたゴルゴはきっちり脱出手段を用意、クリューガーとその仲間を仕留めて去る。本題から外れるのであらすじは相当端折ってるのでご容赦ください。
「郷に入っては郷に従え」なんて言葉もありますが、ゴルゴが従うのは己が自身に課したルールだけ。
現代社会において常にそれをすれば疎まれるかもしれないけれど、何処かに一本自分のルール……芯のようなものがない人間は、利用されるだけされて終了してしまうのではないか。
そんな事を考えさせられるエピソードであります。