心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【映画鑑賞】ファイナル・ブラッド

旅行先にいたり、二日酔いでダウンしていたりしなければ可能な限り土曜日は一本映画を観るようにしようかなと思いまして。
そんな気持ちも込めつつ、当ブログ内でもそこで観た映画の感想でも書いていこうかなと思います。果たしてどの程度続くのかは分かりませんが……。

ということで今回観た作品は「ファイナル・ブラッド」。ネタバレ全開で書いていきます。まあまあ昔の作品だからええやろの精神。

2017年公開のジャン=クロード・ヴァン・ダム主演作品。Googleによるとジャンルはアクション/スリラーとなっています。

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あらすじ

アメリカのある病院に、救急外来で複数人の患者が運ばれてくる。いずれも銃創を負っていたりとかなり緊迫した状態。
そんな患者の中の一人・フィリップ(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)が看護師であるスザンヌに治療を受けているところ、突如病院内に武装した男たちが侵入、院内は乱闘状態。どうやらその男たちの狙いはフィリップだった。
そんな病院襲撃事件、生存者はフィリップを治療していたスザンヌただ一人。
FBIはフィリップの正体を知っており、そんな彼と行動をともにしていたということで疑いの目を向けるFBIはスザンヌを取り調べることに。そこで彼女から語られる事件の真相とは……。

といった具合。
ストーリーの構成としては、スザンヌがFBIからの取り調べに応じて語る内容が回想シーンとして挟まっていきますよ、的な作り。
なので時間軸も前後に細かく動きますね。スザンヌが取り調べを受けるパートがあって「それで、そこからは?」みたいなことを聞かれる→過去に戻り病院内で起きていたことが描かれる→また取り調べに戻る→病院編の続き……というのが繰り返される展開。

やっぱりキモになるのは「病院編の内容は全てスザンヌの語った内容であり、客観的事実ではない」という部分でしょうか。
中盤あたりで「いや、ただの看護師がなんでこんなに強いねん」みたいに思ったりできる伏線要素は一応あったりします。
素直に観てるとまあ平凡なアクション映画という感じですが、映画としての本体はヴァンダムアクションよりも取調室でのやり取りかなあと思いました。その辺が映画ジャンルの「スリラー」要素かもね。

感想

ざっくり話のオチを書いてしまうと、病院に担ぎ込まれた負傷者を負傷させたのはフィリップであり、その際に自分も攻撃を受けて一緒に搬送。
フィリップが狙っていたターゲットはまた生存していて病院の5階に運ばれたので、そのままトドメを刺しましょうね……という感じで行動再開。
後から病院にやってきた男たちはそんなフィリップを消しにきた敵側の集団という形。
フィリップは襲ってくる敵を返り討ちにしつつ、最後は本来狙っていたターゲットも始末した後姿をくらまします。
 
スザンヌは実はフィリップの仲間であり、本物の看護師スザンヌを拘束、なりすまして協力していました。
「自分の命を救ってくれた人だし、患者だから助けた」とかなんとか言いつつ看護師としての演技で取り調べを掻い潜ります。そうしてFBIから開放されたあと、行方不明になっていたフィリップが待っていた車に乗り込み、二人で去っていくところでお話は終了。ちなみにFBIで取り調べしていた2人のうち1人もフィリップの仲間であり、そもそもこの取り調べ自体が全て出来レースだったよというお話。
いわゆる「信頼できない語り手」のパターンですね。

ネットで見ると「劣化版ユージュアル・サスペクツ」なんて書かれている本作。
まあ実際その通りで、事件に巻き込まれただけのスザンヌが実はその事件の中心人物に近い存在だったという流れ。
正直、そこまで映画を観てきたわけではないので「ユージュアル・サスペクツ」を知らず、そういう人間からするとラストのスザンヌの正体が明かされる場面は「おおっ、そうきたか」みたいなちょっとした盛り上がりはありました。
ただその後で映画「ユージュアル・サスペクツ」のあらすじを調べてみると、文字で読んだだけでもよくできている作品だなあと思いました。この辺は今回の「ファイナル・ブラッド」では劣化焼き直しと評価されても仕方がないのかなあと。

今作が観ていて微妙に面倒……というかぶっちゃけ展開が下手くそだなあと思うのが、その時間軸の話。
現在のスザンヌ尋問パートと病院パートが交互に展開するのはまあいいんですが、その病院パートの中で「フィリップがなぜこんなことをしているのか」の原因になるさらに過去の話が入ってきたりします。
構造として「スザンヌの尋問(→病院内の回想(→フィリップの過去編))」というような、回想の中に回想が入ってくる入れ子構造になってしまっており、これがちょっとダルい。
この辺をもう少しちゃんと整理してくれれば観やすくなったのではと思いました。

あとはヴァンダムのアクション成分は少なめですかね。ヴァンダムのアクションをたくさん観たいと思って観ると、やや肩透かしを食らう感じはあります。
襲撃者と闘うシーンはありますが、いずれも割とあっさりヴァンダムが返り討ちにしてしまうので盛り上がる前に戦闘終了しちゃう感。フィリップも負傷しているのにねえ……。
まあ、ヴァンダムも2017年の時点で結構いい年齢ですしね。とはいえヴァンダムといえば……なローリングソバットや、美しい蹴りは健在です。


総合的には、酷評するほど悪い作品ではないと思いました。良作というほどまでもいきませんが。
期待しすぎなければ普通に観れる作品かなあという感じですね。ストーリーの構成とかアクションの魅せ方を練ってくれたらもっと良くなっただろうに……という気配もある、ちょっと惜しい作品でもありましたが。