心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

刃牙道 第54話「瞬き」感想

今回の烈さんは挑発にも乗らず冷静だぜッ!!


着ていた衣服をヌンチャクのように振り回し、それによって跳ね上げた爪や歯がたっぷり混じった闘技場の砂を武蔵の顔面に叩きつける烈。

それを受ける武蔵は避けることも、防ぐこともしない。
それどころか瞬きすらしない……!


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眼球に歯らしきものが突き刺さってますが、その感想は「ふむ……」です。
渋川先生の「瞬きくらいせんかいッ」がなんとも。その距離で見えるのか渋川先生。


刃牙道の武蔵の得意技、挑発がここで発動。
「飛び道具ばっかりだな」
「近付くのが怖いのか」
「全部なくなったら唾でも吐いてくるのか」
とまくし立てる。いやー武蔵マジ武蔵である。個人的にはこういうキャラ造形は割と残された史料通りでいい感じ。

修業論 (光文社新書)

修業論 (光文社新書)

今この「修業論」を再読しているんだけど、この中で「自分のパフォーマンスを上げるよりも相手のパフォーマンスを下げる方が費用対効果が高い」というようなことが論じられている。
修業とはそのコスパの良い「相手のパフォーマンスを下げる」行為への魅力を断ち、自分のパフォーマンスを開発していくことなのだが、それはもちろん長期的な話である。

今回の武蔵・烈戦のように既に始まってしまった戦いの中で何ができるのか。何をするべきか。
戦いの最中で急激に自己の能力が高まる可能性は低い。まずないと思っていい。
だからこの場面においては修業論での逆である「相手のパフォーマンスを下げる」ことを戦術として取り込む。

それが宮本武蔵なのではないかと思う。その効果の高さと即効性を理解していたのではないか。
常在戦場の武蔵。普段は徹底的に自分のパフォーマンスを高め、立会いではそのパフォーマンスをより確実に勝利に結びつけるために相手のパフォーマンスを下げる。驚くほどリアリストだ。


話が真面目な方に脱線した。
挑発に憮然とした表情で衣服そのものを武蔵に投げ付ける烈。
策がない……などと呆れつつ本日二度目の抜刀は、容易に服を横一文字に斬り裂くが、その隙間から見えたのは新たなる武器の姿だッ!!

九節鞭。
ヌンチャクが9個繋がってるイメージでいいんじゃないですかね?先端は尖っていて、なんと武蔵の防御が間に合わず額にヒットした。

カイィィィィン

って音がしてたので刀で受けたのかと思ったんですけど、次のコマでは額から血が噴き出してるし受けたにしても防ぎきれなかったか。
とにかくファーストアタックは烈海王である。


布は基本的に目隠しだと思うんですけどね。武蔵ともあろうものがそれを見誤ったのは、ワンパターンで投げまくっていた手裏剣の効果か。

刃牙が「中国的だなァ〜」と称した攻撃。
間合いは手裏剣の遠距離から少しだけ詰まり、九節鞭の中距離へ……。


いやぁ…面白くなってきた。
徹底的に近距離戦を避ける烈海王に、武蔵はどう対応するのか。
九節鞭をどう捌くのかが楽しみです。