心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

戦争の才能…!「軍靴のバルツァー」5巻感想

「貴方には導く者の責任がある……バルツァー少佐 後は頼みます」

こんばんは、一歩です。

ふと本屋に寄ると、絶賛愛読中の「軍靴のバルツァー」最新巻が!即買い!そして今読み終わりました。
いやー、アツい展開でした。

軍靴のバルツァー」は、18〜19世紀のヨーロッパ風の世界が舞台。
軍事国家ヴァイセンの軍人であるベルント・バルツァーが、同盟国であるバーゼルラントの士官学校へ赴任します。
しかしバーゼルラントは軍事後進国。さらには歴史の流れに巻き込まれたバルツァーと士官学校の少年達は、本当の「戦争」に巻き込まれていくのです……。

18〜19世紀のヨーロッパにおけるリアルな戦術や装備の変化の描写も魅力的な作品ですが、その戦争の裏で絡まる政治や複雑な人間関係、戦場の冷たさと熱さ。見所いっぱいです。

というわけで「軍靴のバルツァー」5巻ですが、絶望的な撤退戦と起死回生の大逆転劇が描かれます。

本巻のテーマは「仲間の死を乗り越える」だと解釈しました。
5巻前半の撤退戦では、バルツァーと王子を逃がすために、バーゼルラント軍の兵士達が命を落とします。生かされた士官学校の若い生徒達も苦悩。こうやって成長していくんだなあ。

個人的激アツなのが敵軍の隊長、ニールセン。騎兵部隊長の彼は、「倒れた戦友は踏み越えて突撃しろ!!」と指示を飛ばし、バルツァー達を追撃します。
その後バルツァー達に逆転された彼と部下とのやり取りがたまらない。
「逃げて……下さい 血路はここにあります
我々の上を……」
「お前……」
「戦友の屍を踏み越えて進むもの は 早く……」
この後本当に仲間を踏み越え、見事逃げ切るニールセン大尉。この後の台詞はありませんが、チームとしての信頼の深さが思われてなんとも言えない気持ちになりました。ちゃんと突撃騎兵魂が伝わっているんですねえー。


逆転し、戦況も好転したヴァイセン・バーゼルラント連合軍。
6巻が楽しみです。

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