心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

命懸けだからこその奇策「南仏海岸」

久しぶりのゴルゴ13、シリーズ初めてのゴルゴと対等な戦闘力を持つ男・イクシオンとの戦いが描かれる「南仏海岸(コート・ダジュール)」参ります。

依頼を受け、ターゲットをそのスコープに捉えたゴルゴ。しかし引き金を引く前に、別の人間にターゲットは仕留められてしまった。
人間関係を洗い出した先にたどり着いたのは、盲目のスナイパー・イクシオンの存在。
互いにプロの狙撃者同士、やがて決着を着けるべく二人は向かい合う……美しい海岸、コート・ダジュールで。

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ゴルゴ13初めてのライバル的なキャラとも言えるのが、今回登場のイクシオン。

相対したゴルゴ自身、じわりと汗をかくほどの緊張感。一方のイクシオンはというと汗ひとつかいてない辺り、単純な戦闘能力で言えばイクシオンの方が上なのかと思わせます。


相手が盲目であるという隙をついて仕留める。
その方法はというと、得物であるM16を一旦投げ捨てる!!
その音、そして反対側に一度自身が動く足音、それらでイクシオンの動きを遅れさせると、投げ捨てたM16に飛び込むようにして倒れながらの射撃。

イクシオンはゴルゴの策に驚いているが、ゴルゴのこの苦しそうな表情。辛くも勝利した雰囲気が滲み出ている。



ゴルゴはこれからもしばしば奇策というか、悪い言い方をすればある種卑怯な手を使って敵を倒したり、危機を脱したりすることがある。
ただし、ゴルゴの仕事は失敗がそのまま死に直結しているので、そのステージに立った時に卑怯なんて言葉は虚しく響く。


一度唯一の武器であるライフルを手放すという奇策。
型にはまらず、生き延びるために考えうる方策の全てを検討する。
柔軟性、という言葉以上の柔軟性。飛躍しつつも自分の中ではしっかりと論理的に導いた道筋。
人生の重要な局面にこそ、何処か「普通じゃない」所まで考えていく……そんなサバイバル術がゴルゴにはある。