心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【映画鑑賞】愛と裏切りの銃弾

ジャンルはクライムサスペンスでしょうか。犯罪行為で身を立てる兄弟の物語。

『愛と裏切りの銃弾』です。

パンチーという男から仕事を受けて働いていた兄・イーストンと弟・ジェイクの兄弟。
イーストンのミスによりパンチーに隠し持っていた債権を没収され、イーストン自身も刑務所送り。
出所したイーストンは早速ジェイクと合流。二人は奪われた債権を取り返す計画を立てるが、ジェイクは兄とは異なる思惑を秘めていて……。

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あまり頭が良くなく、衝動的な兄・イーストン。
一方で犯罪計画を立てたり頭脳派でありつつも、兄にこき使われている感じで内心辟易している弟・ジェイク。
「やるぞ!」というのは兄だけど、実際の計画を立てたり準備するのは弟。優秀な弟が兄の呪縛にもう限界を迎えているというのが土台になるでしょうか。
弟の方は最後にデカい仕事をしたら、それを元手に犯罪からは手を洗おうを提案するのに兄はそれを全否定したり。この辺も、内心ではまともに暮らしたいジェイクとその場その場で生きているイーストンという感じがします。

イーストン出所後はパンチーの家に忍び込み債権を取り返す計画の裏で、ジェイクは兄を始末することを計画。一方でイーストンの方もジェイクが何か企んでいることは察していて……。
さらにこの二人のどちらとも関係を持つ売れない女優ダニールが話に絡んできて、それぞれの人間の思惑が絡み合います。

これがさらに時系列を意図的にぐちゃぐちゃにした構造のストーリーによって、後からそれぞれの思惑が分かってくる的な構造。
はじめは債権を取り返すために入ったパンチーの家のシーンから。ここには兄弟二人以外に、ダニールもいるしさらにもう一人落ち着きのない男もいて、そこに警察官が警報が鳴ったという理由でやってきてしまう。なんとか取り繕って警察をやり過ごすが……。
そこから兄の出所後、パンチーから債権を取り返すための計画の寝る中でダニールと会うシーンだったり、さらに兄が刑務所に入る原因となった1年前の事件だったりと時系列が複雑に前後しながら進みます。

そもそも1年前のイーストンのミスも、当日になってジェイクが来なかったため、イーストンは単身で突っ込んでミス。
ジェイクは頭が良い故に、勝手に別の計画を実行して成功し大金を手に入れるものの、その勝手な行動が原因でパンチーから依頼された仕事がミスっているので、ジェイクが手に入れた金もペナルティとしてパンチーに没収……みたいな感じでなんともです。
この辺があって兄のことをバカにしつつも、頭が上がらない要素もあるのはまた事実で。

時系列が行ったり来たりすることで、最終的に事件の真実が分かる「どんでん返し」系の作品ですが、ちゃんと観ていればそこまでややこしい話でもない……というか、話の筋自体はわざわざ時系列を組み替える作風にするほどのものでもないため、かえって分かりにくくなってしまっている感。

一方人間関係の拗れこそが本作品の面白いポイントであり、能力としては明らかに弟の方が優秀なのに、パワーバランスとしては兄の方が上というこの関係、嫌々従いつつもやはり弟が心中で兄を見下しているような感じがあってよろしいですね。ジャギとケンシロウみたいな。

兄が服役中に定職に就いて、ダニールともいい感じになってまともな生活を送るようになっていたジェイクのところに兄貴が帰ってきてまた犯罪に巻き込もうとする。
そしてなんだかんだで兄だから断り切ることもできない。まあ映画観てると、兄のイーストンがちょっとアレすぎてジェイクに同情したりしますね……。

イーストンの彼女だったけど、そのイーストンが服役中にジェイクと深い関係になってしまうダニール。
イーストン出所後はダニールもなし崩し的に兄弟の債権奪還計画に巻き込まれることになり、彼女の女優として成功したいという彼女の夢にも暗い影を落とすようになります。


邦題の『愛と裏切りの銃弾』は、作品を観終わった後に「マジでその通りの話だったな……」と思うんですが割とネタバレな邦題。
やっぱり兄弟だからそこにお互い愛情はあるし、ダニールはダニールでイーストン・ジェイクの兄弟どちらにも愛情はある。
はじめに「裏切り」をしたのはジェイクだけど、その発端は当然ながらあまりにもアレなイーストンだし、ダニールが兄弟どちらとも関係を持ち続けるのもまたある種の「裏切り」であり……。

一見真面目に女優として頑張ろうとしているダニールにも裏の顔がちらりと見えたりして、そういうところはちゃんと伏線として答え合わせが行われるので意外と見応えはあります。
イーストンも基本バカですが、弟の違和感みたいなものには直感的に気が付いているので、最終的に兄弟が互いに探り合う状態のまま冒頭のパンチー邸侵入事件に繋がるわけですね。

「最後に笑うのは誰だ!?」みたいな話ですが、そういう視点よりも人間ドラマ的な部分の方が面白かった一作。
なんというか……ここまで当ブログで紹介してきた作品ってYouTubeで無料公開されているようなもののせいか、Googleで調べると妙に低評価だったり酷評されているものが多いです。
今回観た『愛と裏切りの銃弾』も同様にそんなに評価の良くない作品なんですが、決して悪くない作品だと思います。
なんとなく『ゴッドファーザー』を思い出す空気感ですね。兄弟愛とか裏切りとか、ゴッドファーザー感があります。