今回は2015年公開の近未来SF作品『AIR』です。
主演はノーマン・リーダス。日本人的には『ウォーキング・デッド』や、ゲーム『デスストランディング』での知名度が高い俳優さんでしょうか。
閉鎖空間で展開されるSFスリラー……という触れ書きですが、どちらかというと人間ドラマ的な側面が強かった作品です。
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あらすじ
世界各地で発生した、核化学兵器を用いたテロ行為によって空気は汚染。地上は生命が暮らすことのできない世界となりました。
その直前に人類の中から優秀な者を選別し、彼らを地下シェルターでコールドスリープ。地上の空気が浄化された頃に再び目覚める計画が始動。
同時にその施設の管理者として2人の男が選ばれます。彼らは半年おきに目覚めては、限られた数時間の間に施設の保守点検をを行うと再び眠りにつき、そしてまた半年後に目覚めては同じことを繰り返す仕事を行うことに……。
その仕事を行うのは、やる気のないバウアー(ノーマン・リーダス)と、実直に人類の未来のために仕事をこなすカートライト(ジャイモン・フンスー)。
水と油といった関係ながらも、今回の保守管理業務もなんとか仲良くやってきた2人だが、ふとしたカートライトの不注意から2つある彼らが半年間を眠って過ごすタンクのうち1台を火事で失ってしまう。
残された時間がない中で、ひとまず予備の空気供給装置を起動することに成功した2人だったが、それでも残された時間は2時間。
失ってしまったタンクの予備を探すべく、これまで探索したことのない施設の深部へと足を踏み入れることになる……。
感想
Googleで調べてみても同じような感想が散見されるんですが、設定自体は割と面白いんですがストーリーに捻りがなかったり、登場人物の行動の意味がちょっと結び付かなかったりとかで消化不良みたいになる作品だったかなと思います。
壊れてしまった代わりのタンクを求めて、2人には入る許可の与えられていないエリアへと侵入。
幸い予備のタンクを発見するものの、いざそれを使って再び眠ろうとしたバウアーは真空状態になり命を失いかけることに。せっかく発見したタンクも正常には機能せず、バウアーを助け出すためにカートライトが破壊してしまいました。
バウアーは最終手段として、コールドスリープされているうちの1人を目覚めさせ、代わりに自分たちが装置を利用することを提案。
仕事に対して実直であり、さらに間接的に人の命を奪うことにもなることに抵抗があるカートライトは、他の方法として自分たちのいるシェルターからすぐそばに別のシェルターがあるので、自分がそのシェルターへ探索することを提案します。
ということでカートライトは防護服を着てシェルターの外へ。バウアーはシェルター内から無線で支援をすることになりますが……。
映画全編を通して暗く閉鎖的な空間のシーンが続くので、序盤は「エイリアン的な怪物とか出てくる系かな?」と思っていたのですが、最後の最後まで基本的には2人の関係性の変化が物語の主題。
実はカートライトの妻がコールドスリープ対象の人間のうちの一人で、彼が仕事に対して真面目な理由。
さらには一瞬の気の迷いから、カートライトがバウアーが先に入ったタンクを真空にして始末しようとしていたことをバウアーが知ってしまい……。
はじめから二人の性格は正反対という感じで、そういう性格なりになんとか仲良くやっていた二人ですが、有限な時間と酸素の中でのトラブルによってどんどんと二人の仲は悪化していき、先述のタンク絡みの事実をバウアーが知ってしまったことで完全に決裂してしまう。
バウアーがその事実を知ってしまったことを知らず、探索から戻ってきたカートライト。果たして二人はどうなるのか……。
不完全燃焼感があるのは主にエンディングが原因だと思っていて、一応ハッピーエンドっぽい終わり方を迎えるものの……この展開ならばバッドエンドか、あるいはまだ恐怖は終わっていない……的なSFスリラーはまだ続いているエンドのような方が個人的には好みという感じ。
バウアーの方をもっと上手く動かせれば、エンディングにも深みが出たんちゃうかな?と思いますが……まあこの映画、ラストでのバウアーとカートライトのやり取りを見ても、それぞれの複雑な心理を見所として設定していたのかなとも思うんですが、じゃあそこをもう少し掘り下げて欲しかったかなあと思います。十分描いているようにも思うんですが、なんというか濃度が薄いんですよね……。
あと単純に展開が単調なのも物足りなさの一因か。終始暗い中を二人が探索する画が続くし、その行動目的もずっと変わらないのでストーリー的な起承転結も弱いです。
とはいえこういう閉鎖的なシチュエーションで追い詰められた2人の関係性が壊れていく……みたいなやつは結構好物なので、自分は割と楽しめました。
それだけにもう少しストーリーの細部を詰めるとか、登場人物の機微を丁寧に描いて欲しかったかなあというのがありますね。なんかもったいない作品。
シンプルにバウアー役のノーマン・リーダスと、カートライト役のジャイモン・フンスーの二人の演技が光る作品だったのでその辺はかなり楽しめると思いました。
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