本日はウェズリー・スナイプス主演作品。
『ザ・シューター』です。
奇しくも原題が『THE CONTRACTOR』であり、先週観た映画と被っているというね。
ストーリー全体を見ると『ザ・シューター』という日本語タイトルが全然噛み合っていなかったりしますが感想いきましょう。
相変わらず今作も色々ツッコミどころは多いんだけど、なんか面白い作品でしたよ。なんだろうこの謎の魅力は。
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あらすじ
田舎で一人馬を世話しながら暮らす元CIAのエージェント、ジェームス(ウェズリー・スナイプス)のもとに、かつての上司コリンズがやってくる。
過去に取り逃がしたテロリストのジャハールに、今度こそトドメを刺せという命令でした。同時にモスクワ・ルール……「失敗すれば死」という言葉も与えられ、ロンドンへ向かうジェームス。
現地の協力者テリーと合流、無事にジャハールの狙撃に成功するジェームスだが、車で逃走中に運転していたテリーが撃たれて死亡。車を爆破しつつ事前に知らされていた隠れ家に逃げ込むジェームスだが、そこに同じ建物にする少女エミリーがやってきて……。
ストーリー的には割と単純構造ですが、やっぱり「シューター」の要素が冒頭のジャハールの狙撃にしかないのがちょっと謎。
メインはエミリーと出会ってからの逃亡劇であり、この作品も先週紹介した『ザ・コントラクター』同様のジェイソン・ボーンシリーズに影響を受けたのかな、という要素を感じます。
感想
「失敗すれば死」というモスクワ・ルールのために、ジャハールの狙撃には成功したものの指名手配状態になったことで上司のコリンズに命を狙われることになるジェームス。
ロンドンの警察に高圧的に協力を要請するコリンズこそが、実はこの事件の黒幕だったというのがちょっと深みの出るポイントでしょうか。
コリンズも自分の部下を引き連れロンドンに乗り込みます。ロンドン警察には「機密なので理由は話せない」といいつつジェームスを追いますが、その目的はロンドン警察の逮捕ではなくジェームスの命そのもの。
コリンズとロンドン警察とのやり取りも、お互いの目的が正確には異なっていることでピリついています。
ジェームスの方、両親を事故で亡くし祖母との二人暮らし生活がうまくいっていない少女・エミリーとの交流パートも結構分厚めに描かれます。
このエミリー役の女優さんというか、子役といえば子役なんですがこの子が演技が上手くてですね……。結構爽やかな感じもある交流パートで、ここがかなり良かったポイントですね。
空港から飛行機で真っ当に国外に逃げようとするけど、失敗。
隠れ家にも敵が襲撃してくるけどそこは間一髪回避。
改めて偽造パスポートを作ってもらおうとするも、それを頼んだ店のおっちゃんに裏切られてパスポート入手作戦も失敗。
もう逃げられないと考え、逆転の切り札としてコリンズが黒幕である証拠を用意したジェームスは、ロンドン警察の人間にそれを渡すことを計画しますが、その場でコリンズ側の刺客に狙われます。一応この切り札入手が最序盤のあるパートが伏線的になっていて、ストーリー的にもちゃんと繋がってますね。
ロンドン警察の人間にコリンズの正体が分かるデータの入ったUSBメモリを渡したところで、コリンズの部下の襲撃を受けます。最終的には逃亡の果てにホテルの厨房でコリンズと銃撃戦。
倒したジェームスはエミリーに別れを告げ、電車に乗り込みます。しばらくしてエミリーにアメリカから手紙が……。
ジェームスはエミリーと祖母に、手紙と一緒にアメリカまでの飛行機のチケットを同封、彼女達を招待します。ジェームスの世話する馬と交流するエミリー。それを見て微笑むジェームスでした……。
なかなかエンディングの読後感が爽やかな作品。
エミリーとの交流パートが作品全体を通して良いです。逃亡してきたヒットマンと少女の交流というのは過去にもいろんな作品で使われてきたモチーフではありますが、やはり良いものは良いという。
ラストシーンにジェームスとエミリーを持ってきたのはナイスだなあと思いました。
一方アクションシーンが終始残念。
ボーンシリーズを意識したのか、意図的に激しく揺れるカメラだったりは分かるんですが、そこにやたら暗いところでのアクションを組み合わせるので視認性がとにかく悪い。
空港からの逃亡では、照明が壊れて激しくチカチカしているシーンがしばらく続く上に何やってるのかほとんど分からない暗さなので……まあ本当にしんどかったですね、あのシーン。
ストーリーは謎の思惑に……という感じではなく、結局シンプルに「失敗すれば死」というルールに則ってコリンズが口封じに来ていただけでしょうか。もちろんそこにはコリンズ本人の保身だったりそういうのも絡みますが、実はもっと複雑な話……とかそういうレベルでもなかったと思います。
その上手段があまりに雑というか、民間人が周囲にいようがお構いなし。ジェームスの姿を確認すると速攻で銃をぶっ放したりするので、イギリスからすれば「アメリカから来たコリンズさんとその部下はどうなってんの?」という国際問題になりません?みたいな荒さです。ラストの厨房でのファイトシーンも、たくさんの料理人が働いているところにいきなりショットガン撃ち始めますし……。
アクション部分は総合的にかなり厳しい一方、映画『LEON』的な少女エミリーとの交流は結構良い一作。
そもそもジェームスも逃亡しようとして何度も失敗する「お前本当にエージェントなのか」という残念部分が根本にあるので、どちらかというとエミリーとのヒューマンドラマとして観るのが面白いかもしれません。何気にエミリーがジェームスのために危険を承知で協力してくれますからね。マジでエミリーがいないとジェームスはお亡くなりになられていたので、今回のMVPはエミリーです。
映画全体としてもMVPはエミリー。彼女との交流を軸に観ると普通に面白い良い映画だと思いましたし、だからこそラストシーンをエミリーとの再会で終わらせているのが良い印象の余韻に繋がっている気がしました。
