さて、餃子に片岡鶴太郎美術庭園に共同浴場に……と飯坂温泉観光を満喫した後は、いよいよ宿に向かいます。


「くつろぎの宿 華滝」さんです。
摺上川沿いに立っているこちらの宿、部屋からはその川がしっかり見えますね。川のせせらぎが聞こえてきて、風呂上がりに音も相まって非常に心地よい時間が流れます。
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到着したらとりあえず窓からの景色を確認し、温泉へ。
温泉は半露天風呂みたいな感じになっています。写真はパンフレットからで。

竹の柵があるのではっきり外は見えないけど、風や光は感じられますね……みたいな具合。
それでもやっぱり外の空気に触れながら入る温泉は良いもんです。相変わらず温度は熱めですが、内湯の方はぬるめの温度に調整されているので、高い温度の温泉が苦手の人やお子さんも安心ですね。
夕食は、少なめの「一汁五菜」コースにしてみました。最近は健康に気を遣って食事を抑えめにしていたこと、そして昼食などをちゃんと食べるであろうことを予想してこのコースで予約を取っていたんですな。実際ラーメン餃子にガトーショコラを食べてましたから。
ということで品数少なめのコースの全容がこちら。


ここにご飯とお味噌汁、デザートとしてスイートポテト&プリンが付きます。
……これで少ないだと……!?
中央の皿は前菜ということですが、一口で食べられるような品がたくさん盛り込まれています。フグの皮を使ったやつがあって、柔らかいミミガーみたいな感じで食感が良かった。
右の皿は刺身・生ハムを使ったサラダ仕立ての一皿。野菜も摂れて嬉しいです。醤油でも和風ドレッシングでも食べられて、味変しながら食べ進めるのが楽しい面白いスタイル。
中央奥は茄子の味噌田楽です。これはシンプルに美味しかった。全体としてあっさり系の味だったので、逆に少し濃いめの味噌味がアクセントになっていたかな。
左奥の雷おこしみたいな見た目のやつはフグのパン粉焼きで、食べてみると中はフワフワの白身魚。さっぱり食べられつつもボリューム感はありますね。
後から配膳していただいたのが、かぼちゃに餡がかかったもの。これがなかなか面白く、かぼちゃの中にはひき肉が隠れています。餡で上品にまとめられつつもちょっとだけやんちゃな一品という感じで、かぼちゃの甘味と肉の旨みのコントラストが面白かったですね。
写真は撮り忘れましたが、デザートのプリンが固めの好きなタイプで美味しかった。スイートポテトにもレモンのコンポートが添えてあり、お腹が結構いっぱいだったけどさっぱりと締められました。
和食を基本としつつも、いろんなところに少しだけ冒険のエッセンスが感じられる夕食でした。創作和食って感じですかね。
食後はもう一度温泉に入り、テレビを観ながらのんびり過ごし、眠くなってきたので歯を磨いて布団の中へ。
川のせせらぎが聞こえる部屋は、その音が眠りへと誘いますね……。
朝は再び温泉を堪能した後、朝食へ。

こちらはちょうど良いボリュームでした。旅館の朝食、むしろ変にこだわらないほうが個人的にはありがたい。温泉地らしく温泉卵も食べられて満足です。
「川の音が聞こえて気持ちよく眠れました」と配膳してくれた女将さんと話をしたんですが、逆にその川の音で眠れなかったというお客さんもいるみたいですね。自分は熟睡でしたが。
改めて部屋に戻って聞くと、本当に宿の横を結構大きめの川が流れているので音はでかい……かも。個人的には最高の子守唄ですが、この点は人を選ぶかもしれませんね。
こちらの華滝さん、結構古めの旅館なんだな〜というのは施設などを見ると感じつつも、逆に古き良き時代が残っている宿です。
朝も夜も女将さんと少し話をして盛り上がったりして、機械的な接客ではない暖かさがあります。
実はチェックアウトの日が飯坂温泉でお祭りで、これを事前に知っていたら一日ずらして予約取っていましたよ、残念……とか。
今日は男性のお客様が多いけど、団体様が宴会をしているから食べ終わって早めに行けば温泉はまだ空いていると思いますよとか。実際夜は温泉貸し切り状態で最高でした。
このような話を、ご飯や汁物を持って来てくれる時にしてくれたりして。人によってはこのような雑談をしたくない人もいるだろうけど、自分はこういうのは歓迎ですからね。この感じは昔ながらの旅館っぽさかなあと思いました。
飯坂温泉全体を振り返ると、なかなか光と同時に影も感じる温泉地だったように思います。
「飯坂」の地名の通り坂がたくさんあり、曲がりくねった道は規則性がなくて歩いているだけで楽しい。栄えている場所はカフェなどもたくさんあり、観光客も確かに多いんです。道路も観光客用に、歩道部分が広めに舗装されていたりね。


一方で少しそんなエリアを離れると、いかにも「バブル期はめちゃくちゃ栄えていたんだろうなあ」ということを思い起こさせる、廃墟化したホテル・旅館群が見えてきます。
今回泊まった華滝さんも、この一帯はそんな旅館が乱立していたようなエリアですが、今も営業しているのは華滝さんを含め数件。いわゆる社員旅行などが行われていた時代には本当に賑やかだったんだろうなあと。
自分のような一人旅とか、少人数の旅行をターゲットにしたビジネスモデルで利益を出せないと続けていけない時代だよなあ……なんて。
食事をした部屋も、本来なら縦に長い大広間を幾つもの襖で小部屋に切り分けたようなところでした。昔ならここを一つの部屋として、数十人の宴会なんかをやっていたんだろうなあ……と。なんだか、少し切なさも感じる旅でしたね。
飯坂温泉は、じゃらんなどで調べてみるとコスパ良好な宿が多い印象です。今回の華滝さんも、1泊2食で12000円を切る価格。
東京から福島も、新幹線なら90分程度らしいです。交通費を含めても、リーズナブルに温泉旅行を楽しめるんじゃないかと思います。観光エリアも徒歩圏内にこぢんまりとまとまっていて、小旅行的に楽しむならすごく良い場所だと思います。共同浴場巡りをするのもいいですね。そもそも駅の目の前に旅館があったりするし。
あとまだ世界から見つかっていないのか、あんまり外国人の観光客が多くないのも好印象。今の京都って、日本にいるのか分からないくらい外国人だらけだって聞きますからね。
今回の新たな個人的な発見としては、とりあえず新幹線が神すぎました。
今までは「旅行先までの電車の風景も楽しいんだ、コスパもいいし」と思っていたんですが、今回新幹線を使用してみてその考えは変わってしまいました。
全く動かずに座っていても、長時間それをしているだけでそこそこ疲れていたんだなと気付いてしまう事態に。短い時間で目的地に着けば、それだけ現場で体力的にも精神的にもアクティブに動けますね。
今回の場合は福島までは新幹線ですが、そこから飯坂温泉までは飯坂線というローカル鉄道だったので旅情も味わえましたのでいいとこ取り。
今後の旅行は、新幹線が使用可能な場所へ向かうなら積極的に活用しようかなと思いました。