『青楼美人合姿鏡』が今回のタイトルの元ネタ。
これは美しく、華やかな花魁の姿が多数描かれた錦絵の画集だそうです。
当時の人気浮世絵師を起用した豪華な画集だったようで。
前回の話を踏まえると、今回のタイトルにおける「青楼美人」は瀬川その人でしょうか。
身請けによって吉原を去ることになる「青楼美人」瀬川。最後のプレゼントとして『青楼美人』を手掛ける蔦重と、そして瀬川がこれからの未来に見る「夢」とは……。
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「江戸城に田安の種を蒔く」。
賢丸、いよいよ本気で動き出す気配を出したところから今回はスタート。
しかしこれ、このまま松平定信になっても寺田心くんのままいくのでしょうか。政治家・松平定信としてのイメージとは今の所結び付かないんですが、新しい定信像を演じるのかな。
瀬川がいなくなった後の花魁オールスターを並べた錦絵の発売を期待される蔦重。
一方で吉原出入り禁止の西村屋、ひそひそと吉原に入り込んで媚びを売りに来る。吉原の女郎屋も一枚岩ではないということですね。若木屋のように、今後も今までの本屋と付き合いを続けたい勢力もたくさんあったんだろうなあ。
一方吉原の外では「吉原の女郎屋の方が悪い対応をした」ということで江戸の街では風評が流れています。
吉原のイメージが悪化していく流れに、蔦重も危機感。
「もう、やりてえことやったら?」
「俺がおまえさんなら、てめえのやりてえことやっちまうね」
平賀源内のこの言葉に、自分の夢を語る蔦重。
「吉原を、江戸っ子の憧れの場所にしたい」
「辛いことより楽しいことの方が多い場所にしたい」
このためのアンサーが、作った錦絵を徳川将軍に献上すること。
「吉原の錦絵が上様に献上された」という噂が大事。
・上様が来ているかもしれない
・そうなると客層も良くなる
・身請けのランクも上がる
と。やはり今年の大河、本そのものもそうだけど「それをどう売るか」の方にも比重がかかっているのが面白い点。
絵師、勝川春章を早速引き込むことに成功。
というか吉原の本が完成されるまでが今回あっという間ですな。
田沼意次が蔦重のことを記憶していたことで、錦絵の献上まではスムーズに行ったが……田沼意次、その献上の場で田安家の謀略を知って危機感を覚えます。
前回・前々回がほとんど幕府の話がなかった反動で、今回幕府パート重ためですね。
賢丸の仕掛けは成功。徳川家に田安の娘を養子にして、賢丸本人は白河へ。
これが「種を蒔く」ですか。花が咲く時は、田沼が失墜する時でしょうか。
言ってみれば瀬川の卒業式。
そんな瀬川へのプレゼントとしての想いもあったから『青楼美人』には力が入っているし、そこには瀬川の姿を載せています。
瀬川が描かれた、最初で最後の絵本ですか。
この本を読んで「楽しかったことばかり思い出しちまうよ」って感想が瀬川から出るの、いいですね。
花魁や女郎が幸福な場所にしたい。
その夢は、蔦重だけではなく瀬川も見ていた夢。笑ってしまうような馬鹿げた夢だけど、2人は本気でそれを目指していた。
瀬川、最後の花魁道中である。去っていく瀬川の分も、蔦重が夢を叶えるために走り続けるわけか。
蔦重と瀬川を繋ぐものが「夢」。
瀬川の最後の道中が、そのまま『青楼美人』の販促イベントに連携!
このイベントを門のすぐ外で「聞こえて」しまっている鳥山検校よ。なんか嫌そうな顔してたし、ここ次回への伏線でしょうね。
次回「富本、仁義の馬面」。
『青楼美人』を「売れない」と断言したのはどういうことか気になりますね。
そして今回の序盤でちょっと触れていたけど、吉原の女郎屋同士での対立も表面化してきそうです。
