心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

べらぼう 第9回「玉菊燈篭 恋の地獄」感想

前回ラストで吉原衆と地本問屋の間での全面戦争が決定的になってしまいましたが、予告の感じだと今回は一呼吸。
タイトルからもそうですが、蔦重と瀬川の恋愛模様が話のメインでしょうね。

史実において、瀬川は鳥山検校が身請けすることになります。
ということで二人の恋愛は悲恋になるわけで、そうなると今回の「恋の地獄」というタイトルが意味深です……。

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地本問屋が吉原と絶縁宣言。
これはそのまま、吉原関係の書籍が吉原以外の場所では販売されないということ。
こうなると吉原への客寄せに、蔦重が出版したものが機能しなくなる。これは困りました……。

一方、瀬川と鳥山検校の様子を見た蔦重がざわめく。
盲目だから自然と肌が触れ合うわけですが、その「検校が盲目である」という情報を持たない蔦重からすると……なんか花魁と客としては妙に親しすぎない?みたいに映るのかな。

蔦重への想いは捨てきれないけど、鳥山検校の方はお客さんとはいえ良識もあって人格者。その上でエグい財力ね。
瀬川もどこかで割り切って、鳥山検校の身請けを前向きに検討している……という話を聞いて蔦重の心がざわざわ。
他の人の妻になるかも……というところで、初めて蔦重も自分の心に気が付き始めている。

並行して新之助さんとうつせみの恋模様も描かれますか。
この「うつせみの身請けをしてやりたいが、身請けの金が用意できない」という状態。自分の気持ちに気が付きつつある蔦重も同じ状態なんだよな……。

すれ違う2人。
この神社のシーン。蔦重が頭下げて本音で話し始めるまで、ずっと瀬川が花魁の言葉遣いだったのがまた切ねえ。

んで瀬川と蔦重が恋愛関係となると吉原のルール違反。周囲はすっげえめんどくさくなってますね。
身請け以外のシステムとしての年季明けルートを狙っていた瀬川ですが、そうはさせねえぞ……という感じでしょうか。
もう力技で瀬川と蔦重の関係を潰そうとする。瀬川が客の相手をしているところを直接見せるの、マジで「恋の地獄」ではある。

蔦重はここで夜逃げのような作戦を考えます。
そしてそうやって想像していた作戦、新之助とうつせみがそれを行い、失敗してしまって終了。
こうなると瀬川と蔦重が逃げるのは無理ですね。
ところでうつせみは懲罰を受けるけど、新さんの方はペナルティなしなのか。まあ侍として悪いことをしたわけではないのか……。なんかこの辺、実際にはどうなってんですかね。

事の顛末を受けた瀬川。
そこに松葉屋の女将が「瀬川」という名前の重さを説きます。
これで瀬川も覚悟が決まったかな。

瀬川、鳥山検校への身請けを受けます。
今回の瀬川と蔦重の足抜け計画。それが最後の2人の想い出。
瀬川、最後の青春という感じですね。この想い出を胸に生きていくと。他の人のことを想ったまま検校の妻になるの、普通に心理を読まれそうですけど。


次回「『青楼美人』の見る夢は」。
前回・今回と政治パートがほとんどなかったですが、来週は幕府の方でも動きが出そう。
未来の松平定信となる賢丸くんがラストに語った「種」は、未来の田沼意次との戦いに対する仕込みを思い付いたってところかな。