心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

べらぼう 第6回「鱗剥がれた『節用集』」感想

予告の感じだと、しばらく唐丸くんは行方不明のままストーリーは進むのかな。
メタ的な話をすると、唐丸を演じている子役さんの受験絡みでの退場ではないか……なんていう話も。そうだとすると、やはり再登場する際には成長した姿で、大人の俳優さんが演じることになりそう。

今回のお話としては、鱗形屋で働くことになった蔦屋重三郎の様子がメインか。
そして『節用集』の偽物が出回っており、そこに蔦重の働く鱗形屋も噛んでいる……というような。
「鱗剥がれた」というタイトルが指すのはもちろん鱗形屋のことでしょうし、なかなか不穏ですぞ。

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鱗形屋お抱えになっての初仕事は『吉原細見』のアップデート。
なかなかその仕事が捗らない中、吉原では細い髷に着物を引きずるような「キンキンにキメた」ファッションが客の間で大ブーム。
そりゃ女性だけでなく、若い男の間でもファッションの流行り廃りはありますか。こうやって目立って、花魁の気を引こうってことですか。

遊び慣れていない若いのが背伸びして、吉原にやって来る。
客のレベル自体は低いけど、それでも外から新しいお客さんが増えていることの証明でもありますね。蔦重の努力は身を結んでいるってわけね。

鱗形屋の勤勉な息子さん、シンプルに儲かる本のヒントが。
さらに番頭さんから鱗形屋の厳しい懐事情も聞かされます。
鱗形屋、お武家さんとも繋がりはあるんですね。今はここが経営の命綱ってことか。

蔦重が閃いたのは「面白い青本」です。
過去の名作にたくさんの絵を差し込んだのが青本ですが、そもそもその青本が「つまんねえ」という一般評価を受けている現状です。
蔦重が考える「面白え青本」とは……現在の青本、単純に題材が古くてクラシックすぎると。
そもそも絵がたくさん入って読みやすいのだから、江戸のリアルタイムの面白い話を青本に仕上げたら売れるだろ!システムです。
オープニングで話題になっていた金々野郎の面白エピソードを仕入れて回る蔦重である。
あとしれっと松平家家老の依頼でよくないことやってるよな、鱗形屋。これが偽の『節用集』かな。

日光社参ですか。
将軍の日光東照宮参拝、つまり墓参りですね。
田沼意次が頑張って財政を改善させたのに、これをやろうと言い出すのは……まあ意次への嫌がらせだろうなあ。
徳川幕府が行う参勤交代みたいなもんなのかね。

新作青本計画、鱗形屋と蔦重が仲良く内容について話し合ってるのを見ると素敵なんですがねえ。
その一方で、鱗形屋が偽板の『節用集』を出版している疑惑が深まった蔦重、直接擦り損じの厠紙でその証拠を掴む。
さらに鱗形屋からすれば、自分はただの道具として飼い慣らされているにすぎないということも聞いてしまいます。
……ここで鱗形屋を突き出すことを選択できないのが蔦重だよなあ。今年の主人公、めちゃくちゃ光属性です。

田沼意次、ストレスしかない!!
将軍家から距離を取られる中で上手く政治も動かせず、そこに佐野とかいう武家が「家をよろしく」という感じで迫って来る。

おっ!ここで鬼平がちゃんと仕事してるゥ!これまでの反動で超カッケェじゃんよ。
んで結果的に鱗形屋からめちゃくちゃ蔦重が恨まれてるの可哀想ですね。蔦重は悩んだけど「マジで何も言ってない」から……。
ついに、鱗形屋の鱗が剥がれました。こうなる瞬間はあっという間でしたね。

そうか。
蔦重は密告する他にも、逆に鱗形屋に「怪しまれているから早めに手を引け」とアドバイスすることもできたのか。
「どちらもしなかった」ことで、後悔する蔦屋重三郎である。
「世の中、そんなもんだ」。鬼平のように割り切って、自分のチャンスとして受け止めるドライさみたいなものが蔦重にも必要ってことで。ここで平蔵さんからも学びがあるとは……。
今回は平賀源内出なかったけど、蔦重は誰からでも学びを得る凄まじい吸収力の人間です。今回の青本計画、閃くまでにはいろんな人から貪欲に話を聞き集めてましたし。


次回「好機到来『籬の花』」。
すっかりもうしばらく鱗形屋さんの元で学ぶかと思っていたら、わずか1話でその鱗形屋さんが終了するとは。
こうなるとやっぱり蔦屋重三郎、直接独立ルートなのか。再度作ることになる『吉原細見』が鍵でしょうかね。