先日ネットニュースで見かけて、なかなか衝撃的だった話題。
ハムスターの細胞に葉緑体を移植することに成功したのだそうです。以下、東京大学大学院新領域創成科学研究科のホームページから引用させていただきます。
◆藻類から光合成活性を持つ葉緑体を取り出し、ハムスターの培養細胞内に移植することに成功しました。
移植した葉緑体は、少なくとも2日間はハムスター培養細胞内で光合成活性を保持していました。
◆今回開発した葉緑体移植法は、従来の導入機械や物理的手法を用いずに、動物細胞内に葉緑体を導入できる利点があります。
◆今回開発した葉緑体移植法は、光合成能を持たない動物細胞に一時的に光合成能を付与できる技術であり、光合成可能な動物細胞を作製するための重要な基盤技術になります。光合成活性を持つ葉緑体を動物細胞に移植することに成功 ―光合成可能な動物細胞作製の突破口を開く―|記者発表|お知らせ|東京大学大学院新領域創成科学研究科
動物でありながら光合成を行うことができる、そんな新生物が誕生する……!?
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現在はまだ細胞段階の話ですが、それでも2日間は光合成活性を示していたというのだから驚きです。
酸素を消費して二酸化炭素を発生させる動物が、同時に光合成を行えるようになるとすれば若干の永久機関っぽい雰囲気がありますね。
もしかすると地球温暖化の原因(と言われている)二酸化炭素の増加に、いくらか歯止めをかけられるようになるのかもしれません。
とはいえ、この手の話を見るたびに禁忌の研究というか、生命倫理みたいなものは少し考えてしまうところでもあります。
動物に植物の性質を人為的に付与するわけですから、まあ普通に生命操作ではありますからね。クローン技術ほどの恐ろしさはないものの、生命の性質自体に介入するわけだからそこそこ踏み込んでいる感もあります。
個人的なレベルでは、もしこれで副作用みたいなものがないなら光合成できるようになりたかったりします。
光合成ができる場合、光がある場所ではそれだけでエネルギーが生産できますからね。もし無人島などで一人取り残されても、光合成ができれば生存率がグッと上がるはずです。
皮膚の色が緑色になったりするなら……ちょっと嫌だけどね。