心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第40話「君を置きて」感想

前回はしれっと一条天皇の体調に不穏な気配がありました。
歴史を先に調べておくと、彼はこのまま世を去るわけですが……そうなると当然、時期天皇争いは加速していくはず。

元服した敦康親王が当然ながら時期後継者に最も近い存在で、一条天皇も、そして彰子も定子の遺児・敦康の即位を願っている。伊周が世を去ったとしても、このパワーは絶大です。
一方で道長は自身を血を引いており、そして彰子の子供である敦成の即位を目論む。こちらの勢力には周囲の貴族たちが集まる形でしょうか。
やはりこうやって考えると、彰子様の立場が難しすぎる……。今回のタイトルの「君」は、今や彰子様の「光る君」となった一条天皇を指すのか。それとも敦康親王を指すのか……。

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源氏物語』の大朗読会、すげえことになってますねえ……。
「これはどういうことなの?」と藤式部に聞いても回答はなし。この辺は、藤式部からの「読む人の受け止め方次第」というのが回答ということなんですかね。
道長が「不実の罪は必ず自分に返ってくる」と言うのは、なかなか。式部がそれを反芻しているけど、発した道長自身にも当てはまるからなあ、これは……。

すっかり一条天皇と彰子様、仲良しですね。
定子という呪縛からようやく解き放たれた結果、また民の方を向き合えるようになっておりますね。
彰子様は彰子様で、お勉強のお陰でさらに一条天皇と打ち解けて……といったところで、一条天皇に不調が!
うーむ、民の心を想うは良いが、そのためにわざわざ寒い日にも暖を取らないというのもまた極端といいますか。根本的に生活サイクルやDNA的に、身体は強くなさそうですしね……。

占いの結果は「世が変わる」。
つまり一条天皇、命が短い。そしてそれを聞いてしまう天皇……。
現代的な感覚だと「これを聞いてしまった」というのが厳しい気がする。「あなたはもう長くないですよ」と言われたら、やっぱり気が滅入ると思うんですよね。病は気からってやつ。

清少納言としては、定子も伊周も失った今の状態だと、最後の希望というか生きる目的は「敦康親王東宮になること」しかなさそうではある。
道長、ここまでに作り上げた人脈が効いていますねえ。政治の場でも人数的アドバンテージを取りやすい上に、こうして不利状況から敦成親王をやがて天皇にするための工作に協力してくれるメンバーもかなり多い。こうやって腹を割って相談できる人脈の多さは強みですね。

ここで、一条天皇の譲位宣言です。
崩御よりも譲位に舵を切ったなら、崩御よりもここからの展開は早まりますね。
「前例パターンから言えば敦成の方が次の東宮でしょ」が道長チームの武器ですか。
あと行成くん、自分の心を殺してまで道長の意志を通すのホンマになあ……。一条天皇に直接進言できることも含め、道長にとって一番強い駒なのはたしかに行成ですね。

「政を行うのは私だ。中宮様ではございませぬ」
この瞬間だけ目が怖くなる道長よ。
ここだけ悪い方で「彰子の父親」というカードを切ってきた感じがあるなあ。

ドラマ的にはあまり実感ないんだけど、もはや道長のパワーってとっくに天皇を凌駕しているわけで。
譲位を受けた東宮は「仲良くするけど、言いなりにはならない」って言ってますが……そんなん無理じゃんねえ。
仲良くして言いなりになるか、仲良くしないでさっさとその地位を失うかの二択しかないと思うんですが、それは。

敦成親王東宮決定、敦康親王は無念。
この辺で隆家が上手く敦康の後見人の立場を使って、道長に有利になる動きをするのかと思ってたけどそういうのはなかったですね。
もはや敦康自身に天皇になる野心もない様子で、こうなると清少納言だけが周囲から取り残されている感じ。

一条天皇、その即位期間は長かったけど人生は短い。享年は31かな?すごく小さい時に即位させられ、そのまま生涯のほとんどを天皇として生きた人物ですね。
それはそのまま、ずっと藤原家の影響を受け続けた数奇な人生とも言えるかも。一条天皇は幸福な人生だったんですかね……。

ここにきて賢子の初恋編スタートか?
なんかセンセーショナルな出会い方、そのまま道長とまひろのそれなんだよなあ。
やたら警戒するいとさんも、そんなまひろの出会いとその後を知っているからこそでしょうね。


次回「揺らぎ」。
ここにきて道長の後継者の方で一悶着ありそうですね。側室の明子さんが野心エグいから……。