心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第37回「波紋」感想

今回のタイトル「波紋」は、やはり中宮・彰子が皇子を産んだことが与える「波紋」でしょうか。

こうなると「次の天皇が誰になるのか」でまた波乱が起きるのは必定。
一気に状況が苦しくなったのは伊周(この前からダメそうではありましたが)。ここでまた何か仕掛けてくるのか、それとも他の方角から波紋を立てるものがやってくるのか……。

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彰子さま、藤式部作の物語を冊子にして帝にプレゼントしたいとのこと。
物語の内容に合わせた、色とりどりの紙で物語を編むわけですか。文章だけでなく視覚的にも楽しませる工夫。
そういえば先日行ってきた、仙台市博物館で行われている親鸞展でも美しい絵の描かれた紙に和歌を書いたものが展示されていましたね。

そういや『源氏物語』。藤原家によって失脚させられた源一族の怨念を鎮めるために、わざわざ主人公が源氏みたいな考察がありましたがどうなんでしょうね。
せめて物語の中では輝かせることで鎮める、いわゆる怨霊信仰の影響というやつですが。

結構丁寧に、当時の書籍の作られ方が描かれていますな。
今なら印刷機やら裁断機であっという間に大量生産なんだろうけど、全て手作業の時代はやっぱり大変そう。一条天皇に献上するための1セットのみ生産だからOKって感じなのか。

彰子さまあれですねえ。藤式部に出会い、さらに自分の子供が産まれたことで急激に成長しましたね。
豪華な贈り物を持って藤式部、帰省です。もはや家を経済的に支えているのは藤式部ですか。為時パパは今どういう状態なんですかね……。
そして久しぶりに会った娘はめちゃくちゃ余所余所しい。ぶっちゃけ、まあそりゃそうよなっていう。

しばらく帰らないうちに、藤式部の方も変わっちまったのかもしれません。言ってみれば、当時の日本で一番贅沢な世界でずっと生きてきたわけですからね。
酒が入った藤式部のそんな世界の話は、自慢話みたいになっていてつまらないでしょうね。というか、娘の賢子からすれば自分のことを忘れられているような気持ちになるな、これは。

帰省中でもなんか書く式部である。
「罪」の一文字から始まるそれは……そこから「罰」と続きます。これは自分自身の心の反映なのか。

彰子様、藤式部への依存度が高すぎて「すぐ帰ってきて!」というお手紙を書かせます。
もう「まひろ」ではなく「藤式部」になってしまったんだろうな。皮肉にも実家帰省と、賢子により母親の否定によってそれが明確になってしまったというか。

編纂された『源氏物語』が帝の手に。そのまま藤壺での源氏物語の朗読会開催が決定!
一条天皇の評価ビシッとしてますね。「女性の感性ならではでありつつ漢籍の素養もある」は当時極めて新鮮な内容だったかも。

ずっと思ってはいたけど、伊周サイドが基本部屋が暗いの単純ながら分かりやすい演出ですね。心の闇が深い。
そして『源氏物語』を読んだ清少納言の心もまた闇なのか、果たして。

深夜の藤壺で事件発生です。
これは服が無理やり剥ぎ取られ、街中に捨てられたっていう事件ですか。これは……どういう事件ですか?伊周側の暗躍?

あっ、しれっと道長がやべえこと言いましたね。実質次の天皇は彰子の子供です宣言に近い。
一方、伊周は伊周で昇進。立場としては道長に並んだらしい。
一気にバチバチしてきたな。伊周は敦康親王道長は敦成親王。ここにきてすごく分かりやすく対立構造になりましたね。
しれっと為時も冠位がアップ。このタイミングで?
なんか急に政治的な意味で、きな臭くなってきました。

ラストに清少納言が藤式部を訪ねてきて……?
むしろここからの展開が今週描かれると思ってたんだけど、ここで終わりなのか、今回……。


次回「まぶしき闇」。
光が強い時、闇もまた濃くなる。
道長が強すぎる光ならば、その反動で伊周という闇は漆黒ということなのか。