実装されたら是非ともお迎えしたかったウマ娘のうちの1人、シーザリオが実装されました。
美人さんですね。
次の育成シナリオの実装も控えているのであまりジュエルは使いたくなかったところ、20連でスッと出てくれて本当にありがたい。
レースやトレーニングに臨む際の超しっかり者モードである「オン」と、年相応の女の子という感じの「オフ」の二面性が彼女の魅力。
ストーリーにおいても、あるシーンでそれがめちゃくちゃ刺さる場面がありましたね……。
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育成ストーリー
メインストーリー2章の主人公の1人でもあるシーザリオなので、育成ストーリーの方でもラインクラフト、エアメサイア、デアリングハートの3人は共に切磋琢磨し合い、時にレースでぶつかり合うライバルとして登場。
この時点で一瞬、ダイタクヘリオスシナリオのような不安がもたげましたが実際には大丈夫でした。ちゃんとトレーナーとシーザリオの交流が描かれていて大満足。
シーザリオの走る目的は他のライバル達とちょっと違っていて、最終的には自分自身が活躍して名を残すというより、そういった実績や経験を積んだ上で後進の育成に繋ぐこと。
自分の後の世代のウマ娘達を育てることに、デビュー前の段階から意識が向いています。これは結構新鮮でした。
はじめに書いたように真面目モードの「オン」と、普通の女の子モードの「オフ」があるためにシーザリオのことを理解しきれていなかったトレーナー。
シーザリオの方もそんな自分をちゃんと理解したいとトレーナーが言うので、2人でプライベートを過ごすことでお互いを分かることができ、そこからはいい感じにレースも進みます。軽微な怪我とはありつつも、それをしっかり2人で乗り越えるような信頼性は獲得してますね。
そうやって順調に進んできた中で、シーザリオにアメリカのレース出走の招待状が届きます。
史実では実際にアメリカンオークスステークスに出走することになりますが、ウマ娘ではここが曇らせポイント。
ウマ娘のほうではわずかではありますが炎症を起こしていることが発覚。シーザリオの夢は「この1レースを勝つこと」ではなく、もっと先にあります。苦渋の選択としてアメリカでのレースを断念することに……。
この辺はプレイしていて結構キツかった。ウマ娘というと「史実では叶えられなかった夢を叶える」パターンの話が多いです。サイレンススズカが怪我せずに勝利する展開はその典型例ですし、ネオユニヴァースのストーリーはかなりそういう観点が強い。
ゲーム内にアメリカのレースが実装されていないというメタ的な理由もあるけど、シーザリオの場合はむしろ「史実の通りにいかなかった」世界線。ただしストーリー全体と、アメリカ挑戦後の史実も考えると救いでもある。なかなか考えさせるところがあります。
その後はエアメサイア、デアリングハートとの戦いの中で、彼女たちだけが持つ輝きに惹きつけられるシーザリオ。
その正体は「その時のレースに全てを賭ける」ことによって生まれるエネルギーでしたが、シーザリオの目指す道筋ゆえに彼女がそれを手にするのは難しいシロモノでもありました。
そこでラインクラフトがやってくる。マイル路線へと変更したラインクラフトですが、シーザリオを戦いたいからという理由でエリザベス女王杯に出ることに。その宣戦布告を聞いた時、シーザリオの魂が燃え上がる。
最高の友でありライバルからの宣戦布告により「ラインクラフトだけには勝ちたい」という想いが、シーザリオの魂に輝きをもたらしました。
そしてストーリー最後のレースは、ジャパンカップ。
そこに立ち塞がるラスボスが、一度は現役から身を引いたスペシャルウィークというのが最高にエモい。
シーザリオのレースを見るうちに火がついたスペシャルウィークからの最高のプレゼント……それは自分自身が共にレースで競うことでした。
この親子対決はたまらないものがありますね。しかもスペシャルウィークが名だたる強豪たちを倒したジャパンカップが舞台というのがまた。
史実でスペシャルウィーク、シーザリオのお父さんなんですよね。
シーザリオのキャラクターが後継者や未来のウマ娘に向かっているのも、その競走馬界における影響力が反映されてのことでしょう。
史実のシーザリオはアメリカンオークス勝利後に靭帯炎が発覚。残念ながらそのまま引退することになります。ウマ娘ではアメリカ挑戦を断念することで代わりに引退を回避し、国内戦の中でライバル達と戦った果てに、史実とは異なる別の輝きを手にすることになる。おまけに史実では絶対に実現できない、スペシャルウィークとの対戦付きです。ウマ娘らしいストーリー展開だと思いますし、ウマ娘だからこそできたストーリーだとも思いますね。
史実のシーザリオで特筆すべきは、現役時代よりもむしろ繁殖牝馬入りしてから。そういう観点も、ウマ娘のシーザリオが後継者へとバトンを繋ぐことに意識を向けているキャラ付けの理由でしょう。
シーザリオ産駒のエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアはいずれもG1を勝利。Wikipediaさんによると、異なる種牡馬から3頭のG1馬を輩出したこと。そもそもG1牡馬を3頭輩出したこと。そしてG1を勝利した牝馬が、母として3頭のG1馬を輩出したことなど、いずれも日本の競馬史上初のことだそうです。
ウマ娘でいうとマルゼンスキーから始まり、その血を引くスペシャルウィーク。その娘であるシーザリオ。もちろんウマ娘の世界では親子だったりという関係ではありませんが、レジェンド的先輩であるスペシャルウィークがシーザリオの走りに興味を見せたり、あるいはシーザリオもスペシャルウィークを尊敬していたりと、そういう史実を反映させた繋がりが見えるのはとても嬉しいポイントですね。
性能のお話
ゲーム性能的には、今の環境ではちょっと厳しそう。原因は固有スキルの効果。
【Guiding Sea】は、残り800m地点で中団にいると少し前に出て加速。
ここに根幹距離のレース+後方にいるとさらに加速するというものなんですが、この追加効果の部分の発動条件が厳しすぎるようです。チャンミだと5〜7位、LoHに至っては6〜7位にいないといけないのでかなりシビア。
要するに残り800m地点ドンピシャで、特定の順位にいないといけないということですね。出てしまえば効果自体は悪くないんですが、対人コンテンツで安定して勝たせるには不安定要素が強すぎるという感じなので残念。
金スキルの進化はそれぞれ悪くなさそうです。
【決死の覚悟】の進化スキル【礎たれ】は、単純に終盤速度スキル【決死の覚悟】の効果時間がアップ。シンプルに強いと思います。
【一張一弛】は中盤で速度をわずかに下げ、その後終盤にすごく前に出るスキル。進化系の【麗しき転身】は、終盤部分が「ものすごく前に出る」に強化されます。
一度速度を下げるのが新しい動きではあります。シーザリオの固有スキルも考えると、このスキルで一瞬位置取りを下げて順位条件を満たし、固有スキルを最大火力で発動させるのがイメージなんでしょうけど……そう上手くいくかなあ……?
総評では終盤速度がかなり分厚いウマ娘。スキルは中距離・差しに集中しており、固有スキルの発動条件も見ると主戦場は2000m、2400mのレースになるでしょう。
そしてその辺にはネオユニヴァース、ジャングルポケットといった強力なライバルがいるので……という、正直にいうと厳しそうな性能です。最近だと先行脚質でジェンティルドンナも実装されましたし。
今後のアップデートなどで、後方脚質のウマ娘がちゃんと後ろから捲ることに強みが出るような調整が入れば、そもそも終盤速度が分厚いシーザリオは活躍できそうな気配はありそうですが……とはいえやっぱり固有スキルの順位条件が厳しいですね。