心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

PS5pro、どういう層に向けた商品なんだこれ

先日発表された、PS5pro。
ざっくりいうと通常のPS5からマシンスペックを強化したシロモノなんですが、そのお値段が驚愕の12万円です。

先日、その通常版PS5が値上げして8万円になったばかり。
客観的な話というか売る側の立場を想像した時に、これはどういうお客さんを想定した商品なのかがよく分からなくなってきました。

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スペック的には通常のPS5よりも映像美がパワーアップという感じっぽいんですが、自分みたいに詳しくない人間からすると比較画像・動画を観ても「そこまで変わらなくないか……?」という範疇。
仮に買うにしても、4万円追加して映像がちょっと綺麗になるだけだとするなら、通常のほうを買うかなあと思います。

結局PS5pro、基本的にはすごくこだわりがある人をターゲットにした商品なのだろうというのは想像できるんですが、果たしてこれは販売したところで売り上げとしてどの程度黒字になるのか?
要するにどの程度の台数が売れると思っているのかが気になります。申し訳ないけど、どう考えてもそこまで数が売れるような物ではなさそうなんですよね。ゲームをするためだけなら過剰すぎるスペックと高すぎる価格という感じで。
1台あたりの利益率が高いんですかねえ、PS5pro。そうでもないと、この金額で販売している意味があんまりないような気がする。
「マシンスペックを考えたら妥当な金額だ」みたいなことを言う詳しそうな人もいますが、実際に妥当な金額だとしても「ゲームをやるためだけに12万円出す」という人がどの程度いるのかって話は別ですから。

ハードが普及しないとソフトは売れない

で、やっぱりこのくらいハード自体が高くなってくると、当然ながらソフトも売れません。
ハードがないと遊べないんだから、ハードが売れないとソフトも売れないのは自明ですね。

ということでゲームソフトを開発・販売しているメーカー各社も今後どうするんだろうなって。
PS5専用で開発したら売れないから、今後もPS5・PS4どちらでも遊べるようなゲームソフトは引き続き出てくるんだろうなと思います。
そういうソフトは開発段階からPS4でも問題なく動く基準で開発されますから、PS5専用ソフトと比較するとPS5版がハードの力を十全に発揮できない。
結局PS5専用ソフトでしかPS5のマシンパワーをフルに活かすことはできないわけで、PS5が高額商品すぎるがゆえにPS5専売ソフトを作るメーカーも少ないまま。なんだか本末転倒ではありますが、PS5である意味がやはり弱くなってしまうのですね。PS4でも発売されるソフトの場合、映像の美しさなどにこだわりがない場合はPS4版を手に取ってしまいますから(ゲーム内容は同じなわけで)。

PS5が高いがゆえに、PS5でしか遊べないゲームを開発することに踏み出せないメーカーも結構多いんじゃないかなと思ったりします。
徐々にそういうゲームも増えている……かと思いきや、そういう場合PS5だけでなくsteamやXboxでも同時発売したりしますし。モンハンワイルズなんかはその典型例ですよね。
というかそうやってあまり売り上げが伸びなかったタイトルとして、FFシリーズという前例がありますし。

欲しい人がいるのも分かるんですが

で、もちろんその高スペックな画質や滑らかな動作自体に価値を見出して、PS5proの購入を決めている人もいるのは分かります。実際に友人にも1人いますし。

ただ、やはりこれは少数派だろうなあと思います。PS5をすでに持っている人は、ここからPS5proに買い替えるというのも懐的になかなか厳しいものがあるでしょう。
自分のようにPS4で満足している場合、先日の通常版PS5値上げのニュースでPS5購入の選択肢がほぼ消えたわけで、当然proを買うつもりもありません。もし買うにしても通常のほうでしょう。

ソニーのビジネス的観点から見た時に、今回のPS5proはどのような人を購買層として想定していて、実際会社としてどの程度販売することのメリットがある商品なのかがよく分からないんですよね……。
忌憚なく言うと、PS5proって何台売れればソニーとして黒字ラインなんだろうなって。

映像的な強みしかアピールできてないのが苦しそう

最後に個人的なPSシリーズに対する考えというか。
これスクエニ……というかFFシリーズも同じ問題にぶつかっていると思うんですけど、基本的に「グラフィックが綺麗になりました!動きが60fpsで滑らかです!」みたいな部分でしか長いこと勝負できなくなっている印象があります。
ここって面白いゲームであるための条件として必須なことじゃなくて、面白いゲームの条件は「ゲーム内容が面白いこと」な訳です。新しい体験があるとか、感動させるストーリーがあるとか。映像美とかはそれに掛け算される部分ですから、そこばっかり強化されてもね……という感じがある。
で、そういう映像的な面を強くすると単純にマシンパワーも上がるので、結果が今の金額なのかなあ、とか。国際的な金額レートの話を抜きにしても、やっぱり家庭用ゲーム機として高いなあとは思います。

比較するのも良くないですが、その辺は任天堂さんはちゃんと理解できているのかなって。
据え置き機としても携帯機としても遊べるNintendo Switchなどはやはり新しい試みだったと思いますし、PS4には映像で劣っていても、最終的に発売されるタイトルの豊富さなどで差が出てしまいました。色んな角度から豊富なタイトルが発売されるということは、それだけ面白いタイトルが発売される可能性も高いってことですから。

子供でも楽しめるSwitch、大人向けのPS5みたいな感じも一応ありますが……今の金額になると、さすがに大人でもまあまあ悩むところだと思います、PS5。