心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第34回「目覚め」感想

一体誰が、どのような意味で目覚めるのか……。

先週の終わりには、興福寺からお坊さんが襲来。これに対する対応において道長が“目覚める”のか。
それとも本格的に宮中で物語を書く中で、まひろという位の低い貴族の娘から藤式部として“目覚める”のか。
はたまた彰子様、藤式部との交流と『源氏物語』を読む中で、その消極的な心から外へと“目覚める”のか。
一条天皇も『源氏物語』を読む中で、少しずつ『枕草子』という夢の世界から“目覚める”気配を感じます。
今回、いろんな人に目覚める可能性が。もう全員目覚めちゃうのか?

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「この屋敷を焼き払うぞ!」
「おうやってみろや!」
この事件、調べてみたらゴリゴリに大和国の実権争いみたいで。いわゆる強訴ですね。
「御仏が〜」とか言いながら、実際には自分達に有利になるようにプレッシャーかけてるんだからなんかもう……っていう感じですねえ。

藤壺の中でも、迫ってくる興福寺の僧達への対策が。
ここで「帝のそばにいるのが彰子様も安全では?」と言える藤式部。
先週から藤壺に勤めている女房が全然能力がないことはアピールされていましたが、その中に藤式部のアドリブ力と高さが目立ちますな。

うーむ、興福寺別当が僧を引き上げさせる条件があまりに調子に乗ってますね。
当然道長も若干キレ気味に否定しますが、それを受けた別当はニヤリ。これは断られることはそもそも織り込み済みで、次の手が……と思ったけど、そのうちの1個でも要求が通ればOKって判断でしたか。

道長くんストレスで倒れてしまうよこれェ!
一方で興福寺という外側の大問題に対処しつつ、同時に内側で一条天皇と彰子様の関係に苦悩する。彰子が自分の娘でもあるのがキツいですね。
ここで彰子様の心を一番開けそうなのが藤式部。気が付いたらゴリゴリに政治に巻き込まれつつある。

しれっと藤原斉信の屋敷が焼けててちょっと笑ってしまった。ナレーションで焼けちゃうのも不便ですね。

さらに道長、藤式部の弟を取り立てる!
これは伊周勢力への牽制でしょうね。弟くんはこれから活躍するのか……と思ったら、そんなところに彰子様が来た!
曰く「ちょっと源氏物語、全然読んでても分からないんですけど!」とのこと。
これはアレですね、彰子様的にも「あれを面白いと思ってる帝の気持ちが知りたいんですけど!」が正確なところだろうなあ。
彰子様なりに、一条天皇のことを知りたいんですよね。

おっと……。
朝廷の皆様の間で、じわじわ『源氏物語』がブームになってきたか?
こうなってくるとリアルに小説家っぽくなってきましたね。そしてそんな小説家と化した藤式部のところに、帝が直接来たぞ!!
「なぜこの物語を書こうと思った?」
左大臣が、帝に献上する物語を書けと言われました」
そういやベースは、道長から聞いた帝や朝廷の話でしたね。だからこそ一条天皇に刺さるのか。
やっぱり天皇にも彰子にも繋がりがある、藤式部がマジで鍵ですなあ……。責任重大やで。

曲がりくねった小川に和歌を詠んで流す。めちゃくちゃ雅なイベントですね。
そんなイベントですが、雨が降り出して中断。
雨宿り中に、男達が物語について語らう様子を聞いていた彰子様。何か分かったのかなあ、これ。分からないまでも、なんとなく何かを感じることはあったかもしれません。

うむ。
これは彰子様、変に自分の中で一条天皇を神聖なもののように思っていたのかもしれませんね。というか、根本的に人生経験が限定的すぎて「殿方という生物」を分かってない節があります。
藤式部の「貴方の父である道長と、帝はそんなに変わりないと思いますよ」はすごくいいアドバイス感あるなあ。

藤式部、自分の人生のifに想いを馳せる。
おおっ!ここで幼少期の自分のエピソードを『源氏物語』に入れていくわけね。
これまではドラマの構造的に「源氏物語の内容をまひろの人生に入れている」と思ったけど、そもそも「自分のエピソードを源氏物語に入れた」というストーリー構造にしたわけか。

……今回家焼けすぎでは?今度は道綱くんの家焼けてるじゃん。
伊周、親王様に嫌われてるじゃないっすか。
一方で道長親王様に慕われてるじゃないっすか。
おやぁ……?伊周の性根の悪さがバレてます?

ここまでを踏まえると、彰子様は懐妊しないし公卿の家も焼けたり、そこにきて親王様が病。地味に良くないことは続いているのか。道長、気合いの御嶽詣です。
道長が都を離れるこのタイミングで、伊周の陰謀が牙を剥く……!?

……結局今回、誰が「目覚め」たんでしょうか。やっぱり中宮・彰子様かな?


次回「中宮の涙」。
予告の感じ、道長決死の御嶽詣は実を結ぶ気配。
彰子様がついに一条天皇に心を伝えるっぽいぞ!