心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第32回「誰のために書く」感想

いよいよまひろさんが宮中で働くことになりそう。さらにその中で源氏物語の執筆を本格稼働するような展開でしょうか、今回は。

やはり道長からの提案でこのカタチになるのかな。
まひろとしても、実際にその目で宮中を体験できることは源氏物語執筆において大きなアドバンテージでしょう。
光の部分だけを選んで書かれた清少納言の『枕草子』とは異なり、まひろとしては宮中の光も闇も描いたリアリズムこそがその作風でしょうからね。
Wikipediaによると、彰子に仕える女房となるらしく、さらには家庭教師の役割も果たしたとか。まひろさんとの交流で、内気すぎる彰子が変わっていくのかな。

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未だに亡き定子への未練が残る一条天皇、伊周を政務の中心へと抜擢。
「伊周で話をどんだけ引っ張るんだよ」とか思っていましたが、こうやって再度権力を取り返すとなると……むしろここからが、本当の道長と伊周の権力闘争ってことだったんですかね。
このドラマにおいてトップクラスにやべえ人間は道兼(若い頃)だと思いますが、ずっと影響力を持ちながら「なんなのこいつ……」みたいに地味に不快感を与え続けてくるのは伊周のほうですかね。ドラマ内でも出てくる期間が長いこともあり、むしろ伊周に対するヘイトが。そういう役柄を上手く演じている役者さんはすごいですなあ。

まひろは自宅で、手を合わせていますが……これ母親の位牌ですかね。さすがに宣孝さんの位牌は、正室の家だよな、さすがに。

源氏物語道長に渡した後、返事はなし。
それはそうと、まひろさんの中では執筆エネルギーが溢れ出してどんどん書いています。この辺早速タイトルの「誰がために書く」と繋がっている気がします。

今年の大河の個人的にに意味分からんポイントが一条天皇
この人の思考回路が全然理解できなくてなあ。なんで「定子を忘れられないから政務ができなくてすまねえ……」という心と「いいからお前が伊周を良く計らうんだよ!」が同時に心の中にあるんだこれ。なんか二重人格みたいで意味分からんのですよ……。
定子に対する未練はまだ分かるけど、伊周の重用に繋がるのは分からないんですよ、うん……。

道長がまひろに「源氏物語天皇に響いてないわ……」と報告しますが、まひろ的にはもうそんなもんどうでも良くなっていますね。
これは今の状態、まひろさんは自分自身のために書いているんでしょうか。自分が書きたいから書いている。

おっと……?
源氏物語』、天皇の心に何かしらの影響を与えていたようで。
「まひろにももう一回会いたいし、物語の続きも読みたいなあ」という天皇の一言で話が急に進み出しました。
彰子の女房にまひろを召し抱え、そこで物語の続きを書かせる。結果として帝が彰子の元へ向かう機会も増える。道長ナイス作戦ですね。

まひろが藤壺に向かうにあたり、懸念は娘の賢子でした。
で、この辺りで色々母として悩むのかなぁ……とか思ったら、なんかあっさり仕えること自体は了承しちゃっているのね、まひろさん。

道長・倫子・まひろが同じ場所に立っているのはこれが初めてですかね。
ついにこの時が来てしまったか……感。どう考えてもこれから倫子側がまひろに対してすげえプレッシャー与えてくるのでは?あと賢子が道長の子供なのも後から効いてくるのかね。倫子さん基本的に怖いから……。道長とまひろが関係性を隠し続けるの無理やろ。
「奥ゆかしすぎてどういう人間なのか謎」な彰子さん。まひろはどうやって攻略するのか……。

安倍晴明、危篤。
こうやって最期の会話を聞いていると、晴明は道長のために動いてきたんだろうなあ。
他の人相手だと打算的だったけど、道長のためとなると自分の生命を削ってでも祈祷してましたし。道長という男に惚れ込んでいたんだろうなあ。その才能に、その未来を切り開く力に……。

晴明の最後の忠告「光が強いほど、影も濃くなる」。
月食の夜、内裏で火災が発生した。影とはこういうレベルの事象なんですか?
そんな「影」たる火災が、一条天皇と彰子の関係を一気に近付ける。これもまた晴明の予言通りになっている感。結局道長に有利に動く。
とはいえ代わりに八咫鏡が犠牲になってますやん!

伊周さあ……。
「帝が信ずるのは私だけです」っていうのは直接的すぎない?そしてこんなもんに騙されているとするなら、一条天皇甘すぎない?
一方で道長の元へは隆家が。この時、隆家が道長に伝えた話は一体なんなのでしょうか。言い方的には伊周のウィークポイントでしょうか。

父ちゃん……。
ここで「お前が女子であって良かった」はすげえ突き刺さりますなあ。
まひろさん、ずっと「自分が男なら出世できたのに」みたいな圧は外からも内からも受け続けてきたでしょうからね。
「物語の執筆ができ、学のある女性であるからこそ女房として取り立てられることになった」というのは「女子であって良かった」以外にないですね。

もうちょい娘との関係性を掘り下げるのかと思っていたら、そこはめちゃくちゃあっさり処理していて肩透かしでした。

次回「式部誕生」。
いよいよ紫式部になりますか。新生活にあくせくするまひろさんと、彰子さんや一条天皇とが本格的に接触し始める!

ところでドラマ後の「#大河受け」。
一条天皇役の俳優さんのちょっとしたインタビューがあったんだけど、光も闇も描いた『源氏物語』が天皇の心に刺さりすぎて怒りや戸惑いが……っていう話、短いながらもすごく良かったなあ。楽しいだけの『枕草子』という幻想の中に閉じこもるなか、『源氏物語』を読むことで、一条天皇がやっと現実と向き合い、先に進めるようになるのかな。