心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

光る君へ 第31回「月の下で」感想

先週はオリンピックでお休みだった大河ドラマ
今回、いよいよ道長がまひろに源氏物語の執筆を頼むことになりそうですが……。

どうやら道長、表向きは一条天皇の寵愛を受けられない彰子を慰めるためとして物語の執筆を依頼する様子。
ただ実際には、枕草子によって傾いている宮中のパワーバランスを取り返すための武器だろうなあとは思います。

今年の大河での個人的な不満点は、枕草子清少納言の扱いでしょうか。定子が世を去ったことをきっかけに、道長への復讐心を糧として完成させたような話になっているのはなんだかなあと思います。

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まひろ作『かささぎ語り』は、燃えてしまったのでもうこの世にないと。
こういう話を見ると、やはり印刷ってすげえ発明だったんだなあって。三大発明の中で、火薬や羅針盤と比較して地味な気がする活版印刷術。でも地味ながら、与える影響力の広さを考えると一番偉大な発明な気がしてきたぞ。

「だったら代わりに、中宮のために新しい物語を書いてくれないか?」という道長
入内したのに帝の寵愛を受けられない自分の娘が可哀想……という情に訴える作戦。さらに「俺に力を貸してくれ」でダメ押し。
うーん、道長にこれされると弱いよなあ、まひろ。
結局頑張って物語書きそうです。

おっ、公任を追い抜いての出世となると、公任が黙っちゃいねえぞ。
はんにゃ金田だと思うと出世レースで勝ったのがこっちってのはちょっと面白いけど、今回のドラマ観ていて思いますが普通に演技上手いよね。特別ってことはないけど、安心して観ていられるというか。これからも俳優業で地味に仕事ありそうな気がします。
ここにロバート秋山さんまで来てしまうと、3人いるシーンの2人が本業お笑い芸人っていう。

要するに『枕草子』という書物、綺麗な側面だけを切り取って書いているから、読む人によっては薄っぺらいってことなんでしょうかね。
そんな『枕草子』をちゃんと読んだまひろ、その感想は……。

しかしなあ……彰子の性格がなんでこうなのかの説明が全然ないのがよく分からないんですよ。
他の兄弟は快活に育っていたのに、なぜ彼女だけが超絶内気なのかの説明やきっかけのシーンがない。産まれながらの性格って呼ぶにはちょっと極端すぎますし、同じ家で同じ両親に育てられてここまで違うかね、と思っちゃうんですよねえ……。

なんか道長と倫子さまはすれ違い中。
そうなると道長は側室の明子に接近する……かと思いきや、どちらにも接近しなくなるっていう。
これ道長はどういう状態なんでしょうか、精神状態。

まひろさんに対しての弟の人物評「根が暗くて鬱陶しい」で、キレるどころか何かヒントを掴むに至ったまひろである。
これで「いっちょ物語書いてみるか」になるの、まひろっぽいというか。『枕草子』では意図的に消されていた「暗さ」とか、あるいは「鬱陶しい」とされる部分は描写の丁寧さ・精緻さにリンクしていくのでしょうか。

道長が用意した紙は、最高級の越前の紙です。地味に越前遠征編が伏線になってますなあ。
書いてみたものは、まあ「面白い」し「明るい」んだけど、それだけじゃん?と筆者自身が言っております。

道長の真意は、中宮ではなく一条天皇への献上。
むしろ天皇のためとして改めて書きたい、それがまひろです。
よく考えたら『枕草子』が一条天皇と定子の交流を描いたものであり、最終的には帝のために書かれたもの。
道長から聞いた帝のエピソード群をヒントにここから『源氏物語』を書くことになるなら、同じ土俵……かと思いきや、道長としてはどっちかというと藤原家のお話になってしまったようです。まあ藤原家と天皇家はゴリゴリに繋がっちゃってるしね。

「人とは、なんなのでございましょう」
まひろさん、最終的に哲学問題に到達してしまう。

序盤のエピソードまで回収してくる今回。
月を見上げながら、直秀のことを思い出す2人。
「月の下で」というタイトルで、月を見上げる意味を考える道長とまひろです。

おっ、いよいよ執筆の段階に来てまひろさんの精神世界でしょうか。言葉が頭の中を駆け巡っているイメージかな、文字の書かれた紙が舞うのは。

道長の感想は「かえって帝の機嫌を損ねそうな物語」。
そこに娘の賢子がやってきたよ。
これ状況が複雑だなあ……。このシーンで賢子が道長の血を引いているのを知っているの、まひろだけっていう。
DNAレベルで親和性が高いのか、道長と賢子がすんなり仲良さそうになっているのはそういう暗喩でしょうか。

帝に提出済みの物語でも加筆修正。
「物語は生きておりますゆえ」ですか。これが小説家マインド。

ついに帝が、まひろの書いた『源氏物語』を開きます。
1ページ目から早速帝の心を抉っているみたいですが、果たして……。


次回「誰がために書く」。
いよいよまひろが宮中に入るっぽい。実際『源氏物語』って、どういう感じで成立していったんですかね。
新しいエピソードが出来上がるごとに献上する、漫画の単行本みたいなスタイルだったのかな。