心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【ウイスキー】一旦完全に国産からは身を引く感じです

久しぶりにウイスキーの話。
国産ウイスキーの値上げが全然止まらなくて、並行してどんどん乱立している新しい蒸留所のウイスキーはそもそも高額です。

先日、街中の酒屋で山崎25年が販売されているのを見て驚いたんですが、そこに置いてあるだけでもビビったけど値段が118万円でさらにビビりましたね。実物なんて初めて見た。
まあ山崎25年に関してはともかく、個人的には昨今のジャパニーズウイスキー全体として、高すぎる価格に対して内容が釣り合っていないものがちらほら。
それ以外にも、結構ジャパニーズウイスキーに関してはよくない情報も見かけるようになってきました。自分みたいに多少ウイスキーが好きで、能動的に情報収集していると……。やはり以前から自分が危惧していたことが起き始めているような気がします。

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ウイスキーブームが来ると、味が落ちる

前提として、こういう傾向がウイスキー業界にはあるみたいなんですよね。
ウイスキーブームが発生するということは、ウイスキーの需要が生産量を上回るということです。
これが何を意味するのかというと、まあどんな業界でもそうですが量を確保するために質が低下する現象が発生します。

先日見かけた話では、とある白州の期間限定品についてのツイート。
これが実際に飲んでみた人のレビューとして「全然美味しくない、若いし味も浅い。12年の方が美味い」という感じで。これ、その12年と同じ15000円のボトルの話。
限定品の方は年数の表記がないわけですから、若い原酒も使いながら味を作っていると思われます。それが「浅さ」「若さ」の原因なのかなあとか。
それを特定のコンセプトやテーマを持ってブレンドして限定品にするわけですが、敢えて悪い言い方をすれば「熟成させた原酒を使わないで誤魔化している」みたいな捉え方もできるっちゃできるんですよね。それで12年物と同じ定価なわけですし、なんとも。もちろん年数表記がなかったり、あるいは年数表記が1桁のような若いウイスキーでも美味しいものはあるんですけどね。


ウイスキーに関してはその製造の構造上、基本的に流行ると味が落ちるというのは結構聞きます。
作るのに熟成という工程が必須なため、需要が高まって必要な供給量が下がると、必然的に長熟のウイスキー生産量が下がるというか。早く多く売るためには、熟成期間を10年以上もかけていられないというかなんというか。
大手の海外メーカーでも、バランタイン12年が終売になっていたりするのはそういうことなんだと思っていたりします。

あとは旧ボトルの方が美味い、みたいな話も。
例えば「◯◯12年」というウイスキーがあるとして、これには熟成年数12年“以上”のものをブレンドしましたという話なんですね。最低熟成年数が12年なので、中には20年以上熟成させた原酒も一部使われていたりする可能性があるわけですよ。
ウイスキーブームが来る前の時代だと、せっかく作ったウイスキーもなかなか売れない。そうなるとそういった長熟のウイスキーも定番品のブレンドに使われることもあったようで、そうなるとやっぱり最終的に美味しいんですよね。
皮肉なことに、ウイスキーが人気のない時代に作られたウイスキーの方が美味い傾向が見られるんですよ。

日本だけでなく海外の有名蒸留所も、ボトルのデザインリニューアルとともにサイレント味修正をしていると考えられるものは多いです。
これらも実際に飲み比べると、大抵味わいが軽くなっていたり物足りなくなったりしている……と個人的には思います。
まあバーのマスターと話をしていても、大体「リニューアル前の方が好きでしたね」という話になりがちなイメージ。ここ数年の間にリニューアルした銘柄で良くなったって話はほぼ聞きません。

あくまでも傾向ですが、やはりある程度熟成年数を重ねたウイスキーの方が美味しいのというのはあります。もちろん若くても美味しいものもあるんですが……。
とはいえそこまで考えたときに、基本的に味は落ちていくのに需要はすごいから価格は上がり続けている……というのがジャパニーズウイスキーの現在地なのかなあと思ってしまうんですよ。
美味しくないわけではないんですが、じゃあ同じ金額ならスコッチウイスキーのそこそこいい熟成年数のやつ買えるよねって話になる。
「価格と味が釣り合ってない」というのはそういうことで……。

悪質なウイスキー業界参入企業も出てきている様子

もっと酷い話もあって、日本のウイスキーに関する法律の甘さを悪用して、ある意味で消費者を騙して金を稼いでいるようなメーカーも現れ始めているみたいで。
Twitterで見た程度の情報なので信憑性も担保できないため具体的なメーカーの名前は伏せますが、海外原酒を輸入してブレンドしたものを「ジャパニーズウイスキー」として販売したり、あるいは熟成年数が1年程度のものを「シングルモルト」として販売していたりするところが出てきたようです。
海外から輸入して来た原酒をブレンドして、それを「ジャパニーズウイスキー」と言われても……普通に考えたらそれは日本で作っていませんよね。
また、スコットランドでは法律で3年以上熟成させたものしかウイスキーを名乗ることができないようになっています。

あくまでも日本の法律的には問題ないって話であって、多少ウイスキーに興味を持って学び始めるとすぐに分かる「それはジャパニーズウイスキーではないやろ」だったり「そもそもウイスキーではないやろ」だったり。本場であるスコッチの定義に当てはめると完全にアウトだったりするので、金稼ぎのためにやってるだけで良い物を作ろうって気はないんだろうなってのが見えてしまいます。

「ジャパニーズウイスキー」というブランドを悪用して、あまりウイスキーに詳しくない人を騙しているように自分には感じられます。
この辺は以前、雑誌『ウイスキーガロア』内でも触れられていた部分かもしれません。ジャパニーズウイスキーの定義がガバガバなため、こういう「一般的に考えたらそれはジャパニーズではないでしょ」みたいなものが流通する。
これが海外のウイスキーファンとかまで届きはじめていくと、最終的にジャパニーズウイスキーというブランドそのものの価値が信頼性が損なわれる恐れがあるので、マジでこういうのはやめて欲しいんだよなあ。

ウイスキーブームの悪いところが出始めている気がする

ということでウイスキーブームが継続中の今、そろそろその闇の部分が可視化されてきた感があります。

需要>供給になった結果、基本的に熟成という工程が入るウイスキーは大量生産と相性が悪い(特にシングルモルト)。
結果として熟成期間の長いウイスキーは生産量が減りながら、一方で価格はおかしな上がり方を見せますし、日常的に飲むような安価なブレンデッドウイスキーにまでその価格上昇は及び始めました。
また、乱立する日本の新しいクラフト蒸留所の中にはちゃんとクオリティの高いウイスキーを作るのではなく、どう見ても金儲けしか考えていないようなところも出始めていて……という感じ。

価格上昇に関してはスコッチウイスキーはまだマシな方だし、長い歴史と厳しい法律があるために日本のような粗製乱造は発生しにくい土壌があると思います。
この辺まで考えると、ぶっちゃけ「今の状態でジャパニーズウイスキー飲む必要ある?」みたいになっちゃってる。
もちろんジャパニーズウイスキーに価値を感じたり、素直に美味しいと思って楽しめる人には是非そうして欲しいし、自分みたいにネガティヴ吐いている人ではなく楽しめる人こそがジャパニーズウイスキーを支えているわけですから。

あくまでも個人的に、ジャパニーズウイスキーからは距離を置くというお話です。
とはいえ今回自分が書いたような現実もあるよってことは知っておいてほしいなと思います。特に飲む側の人間を騙すようなタイプのウイスキーが存在するってことを。買う前にちゃんと調べましょうね。