心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

鎌倉殿の13人 第30回「全成の確率」感想

今回のタイトルの意味はどう取ればいいんでしょうかね。全成の「何」に対しての確率なのか。この危機からの生存確率?

全成についてネットで調べると、結構ドラマにおける人物像とは異なる感じ。Wikipediaによると荒くれ者ぶりから悪禅師と呼ばれたとかいう話もあるようです。
ドラマ的には数少ない良心をちゃんと持った人物だけに、これからの歴史を知っているとなかなか悲しい。

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いやいや、片付け忘れた呪詛人形が発見される経緯!んで師匠、後頭部に思いっきり蹴鞠の鞠が直撃してたけど大丈夫なんですかね?
「2枚の鹿革を馬革で縫い合わせて作る」ってWikipediaで書いてあったけど、これ普通に固くない?

呪詛を仕込んでいた流れから頼家が病に倒れるの流れは非常にマズいですね。
比企としてはこれは北条を潰すいいチャンスだもんなあ。そして事実として、今回は時政の差し金なのがまた。

まあ義時は分かってるだろうな、これ。全成さんの人柄も理解しているだろうし、はじめから時政の命令でやらされたってのは分かっている。分かっているからこの状況が極めて処理に困るわけで。
マジで時政夫妻、ただひたすら邪魔ですね。まあ時政というかりくさんなんだけど。こりゃ義時ものちに縁を切ろうとするわ。

義時は比企と北条の仲裁しようとしてるけど、多分三浦とか和田はどこかで「北条を勝たせる」つまり「比企を潰す」つもりのテンションに見えるよなあ……。
義時の思惑通りに物事は動かんよね、これ。
義時に嫁いだ自分の娘を脅迫する比企能員。どんどん悪人ムーブを隠さなくなってきてるねえ。

スーパー聖人なんだよなあ全成……。
こうやって見ると、時政くんはその場のノリでしか動いてない感あるんですよねずっと。嫁さんの思い付きとかそういう。自分でなんか考えてるんすかね、この人。

「13人もいまや9人」ってさらっと言ってるのがやべえ。さりげなくドラマのタイトル否定っぽいのが。
頼家も比企能員のこと信頼してるわけがないよね。都度都度「比企にお任せください」って言うの、13人による合議制作っておいて明らかにおかしいからね。
「鎌倉に忠義があるなら所領差し出せるよね?」は劇薬だけど、これに関しては頼家の気持ちも分かるわ……。

比企能員のクズムーブが極まるッ!
もう何も隠さねえなこの人。「最近の鎌倉殿は扱いづらくてなあ……」はもう忠誠心ゼロじゃん。
要するに比企のせいで全成さんは極刑になるのか。
八田殿に処刑されるのは史実通り。八田殿もまた比企に利用されているのが非常にキツい……。
全成さん、最後に嵐を呼ぶ。八田殿の感性だと、全成さんが悪意を持った人間ではないのは感じとったとは思うんだけど……仕事だからね。どこかで全成さんと八田殿、似てる気がするんだよな。実直だったり真っ直ぐだったりするところが。

「悪禅師」の異名、本作では八田殿によって発せられたか。本当にそうだったのではなく、そういう濡れ衣を着せられたというのが最高に切ないっすね……。

さて、流石にここまでくるともう平和ルートは不可能だよなあ。北条ができることは、比企を潰すこと一択っぽい感じあるんだけど。
今の国際情勢にも言えるんですが、対話ってのは相手が話を聞く気がないと成立しないわけですよ。
義時が何を言っても、比企能員に話し合う気がないんだから、もう潰すしかねえ。

そうだった!善児は義時の配下だった!怖え!!
義時くん、完全なる宣戦布告。いい加減に比企能員は消すしか、鎌倉の平穏を取り戻す方法がないと覚悟を決めました。


次回「諦めの悪い男」。
これ結構みんな諦め悪そうなんだよなあ。上手くいかなくてもなんとか比企を倒そうとする義時。自身の野心の成就に動き続ける比企能員。倒れた頼家だって、まだ自身が能動的に統治する幕府を諦めちゃいない。
そしてそんな男たちが、まだまだ争いを生むことになるんだよな……。