心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

【ヘブンバーンズレッド】1章クリア時点の感想

エルデンリングが発売するまではPS4でやるゲームがないので、連休中はずっとスマホゲームやっていました。

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タマちゃんが戦闘中に言う「勝ち確です ありがとうございました。」がめちゃ可愛い、連休中に始めてみたヘブンバーンズレッドのお話。
案の定YouTubeでは「クソゲー?」みたいな、いやオメェの動画のサムネの方が害悪だしクソですよみたいな動画はいくつか散見されるんで、それは無視しつつ。

先にざっくり書くと、人は選ぶとは思うけど上質なゲームだと思います。少なくともスマホゲームとして最高峰に出来はいいと思う。

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ストーリー

ある日外宇宙から飛来した生命体「キャンサー」が繁殖し、人類を襲うので人口はガンガン減少していく地球。
「セラフ」と呼ばれるキャンサーに唯一対抗する特殊兵器を使える茅森月歌は、同じようにセラフを扱える少女達と共に戦いに身を投じることになる……。

キャンサーに対抗するための軍隊に編入された、それぞれに秀でた能力を持つ少女達。
はじめは本当に緩い感じで、軍隊に用意されたシミュレーターを使った訓練をする一方、一緒に食事したりしながら同じ31A部隊に配属された少女達が交流を深めていく様子が続く。

ストーリーとしての上手さがここにあって、正直「お腹一杯っすね……」ってくらいこの緩い少女達の日常パートが続くんですよ。
それをややくどいほどに見せてきた後で、1章中盤で雑魚キャンサーを相手にした実戦形式の訓練、そして終盤では襲われる一般の人々が暮らすシェルターを守るための初の実戦へ。特に終盤はプレイヤー側からしても、これが当たり前のように命を落とすことに巻き込まれた少女達の物語ってことを忘れかけたところで、思いっきり重たい世界の方に引きずり戻す。
若干ペルソナ3のような感触もある。命懸けで戦う少年少女のジュブナイル的側面は共通点だと思います。ペルソナ3も中盤で荒垣さんが命を落とすことで、なんかそれまで命を落とす実感がなく戦ってたところに現実突きつけられるような感覚あったからね。

反動の付け方が上手いなあと思いました。振り幅が大きいせいで、感情の揺さぶりがすごかった。それまで
はただの仲良しチームだった仲間達が、命懸けであることを現場で認識してビビり、それでも互いに鼓舞して、連携してキャンサーに挑む。
ゆるゆる日常パートのギャグテイストがかなりクセが強く、あのノリが合わない人にとっては苦痛かもしれない。逆に言うとあのノリを楽しめる、そこまでいかなくてもまあ大丈夫って人は1章終わりまではやってみてほしいです。多分1章終えたタイミングまでやってから判断しないと、このゲームのストーリー部分に対する正しい評価はできていないのと同じだと思う。
ライバル心を見せる31C部隊との競争、そして1章ラストで明らかになる31C部隊がそれほどに突っかかってきた理由が心を抉ってくる。ネタバレになってしまうから書けないけど……。

とりあえず自分は1章終えた段階で、現状ではストーリー追いかけるために続けることが決定しました。

バトルシステム

基本はシンプルなコマンドRPG
ただHPの他にシールドみたいなDPというのがあって、このDPをゼロにしないとHPにダメージが通らない。んでHPゼロにしたら撃破。
今のところはこのシステムがうまく機能していない感じはあって、単純に「DPとHP削り切ったら勝ち」みたいな程度に収まってしまっています。DPを回復する敵も今のところ少なく、その頻度も低い。
HPにダメージが通るようになると与ダメに倍率ボーナスがかかって、与えるダメージが増えていくのは気持ちいいんだけど……逆に言うと今のところDPがただのストレス要素に近い。敵体力に対する与ダメ効率が悪い部分って感じなので、このDPという要素を上手いこと活かせるバトル出てきたらいいですね。
単純にDP削るのがダルいと思うシーンが多いので、例えば弱点付いたらDPダメージボーナス入ったりして効率上がったりすると嬉しいんだけど。後述するDPダメージに適したブレイカーでも、手持ちのブレイカーが強くないだけなのか分からないがさほどDP削りの効率の良さを感じません。DPダメージ+30%みたいな特攻スキル使えばまあ減るんだけど、それでも「もっと減って良くね?」と思う時があったりする。
DPをゼロにするとブレイクして、そのターン行動不能にできるのを考えつつ「このターンでブレイクさせる」みたいなダメージ調整をもうちょい狙えるようになると楽しい……かもしれない。

各キャラクターのスタイルは結構多く、今後増えるかは分からないけど7種類。
・HPダメージを出すアタッカー
・DP削りに特化したブレイカ
・味方の支援をするバッファー
・敵の弱体化を行うデバッファー
・HPダメージを与える際の倍率を稼ぐブラスター
・味方の回復が得意なヒーラー
・敵の攻撃を引きつけるディフェンダー
とはいえ、最高レアのスタイルは顕著だけどアタッカーが回復スキル覚えたりヒーラーが強力な攻撃スキル覚えたりというのも結構いるので、初期スキルとレベル上げると習得するスキルを見ていく方がいいかもしれない。ヒーラーだから回復しかできないというようなゲームじゃないですね。

加えて攻撃属性に斬・打・突があり、敵は耐性や弱点を持っているので……この辺の兼ね合いが結構大事ではある。
斬耐性持っている相手を斬アタッカーで叩いても、まあ火力そんなに出ないわけで。だったらちゃんと弱点で叩けるデバッファーで叩いた方が火力出たりは普通にある。
加えて1章の段階では気にすることないけど、火・雷……みたいな属性もあるので、将来この辺も関わってくるんだろうね。2章の段階で出てくるんですかね?
斬タイプ・火属性持ちのアタッカーとか、そういう話になっているので結構複雑なことになってきそう。「このキャラいないと詰むぞ」みたいなバランスに将来ならないことを祈ります。

戦闘に出すメンバーは6人。先の話を踏まえると、将来的にキャラがもっと揃ってくるといろんな専用パーティ組むことにはなるだろうな。「斬属性特化パーティ」とかね。
前衛3人後衛3人で、毎ターン選んだ3人が前衛に出て行動するシステムです。
結構被ダメも大きく、一部のキャラクターを除くと回復スキルは「前衛3人を回復する」というものがほとんどなので……地味に毎ターン誰を前に出すかは結構頭を使うポイント。被ダメが酷い仲間は下げておき、敵が行動不能になるブレイクしたターンに前に出し、安全に回復するとか。実際にプレイしてると結構こまめに前衛後衛入れ替えながら戦うことになる。
ここ賛否両論あるみたいだけど、根本はシンプルなRPGだがちゃんと頭使わないとパーティ壊滅するのは、個人的にいいと思います。スキルも毎ターン2回復するスキルコストを吐いて使うので(今消費2で撃てるスキルを持っているようなキャラはいないはず)、何も考えずに毎ターンスキル連打はほぼ不可能。3人超強い仲間いたら後ろの3人誰でもいい、とならないのはグッド。
もちろんレベル上げればちゃんと楽になるし、シミュレーターでの訓練はオート周回もありレベリングもできます。
何より自分はスマホでアクションゲームするのが本当に苦手で、コマンドRPGで考える時間をちゃんとくれる状態でコマンド選択できるのは普通に嬉しいんですよね。

弱点としては1戦1戦が時間かかりがち。
これをスマホゲームとしてどう考えるか、ですね。なんかこのゲーム、スマホゲームっぽくはないんだわ。

世界観と音楽

人類滅亡しかけの世界で、戦うことができるのは女の子だけで……みたいな世界観自体は割とあるっちゃあるものなので特別なことは思わないけど、代わりにそこで日常をとにかく丁寧に、破滅的な世界でも年相応の青春を楽しむ様子を描き、そして先に書いたようにそこから緩急を付けて命がかかった戦いであることを描く。
フィクションではよくありがちな世界設定な分、丁寧な日常描写やストーリーで味わい深くしている感じ。

そんな世界を強く補強するのが音楽。
ボス戦やイベントのような、重要な場面ではボーカル曲が流れる。個人的にはチュートリアル戦闘で流れる「Everlasting Night」が本当に好きで。1章クリア時点では記憶の限りチュートリアル戦闘と手塚戦でしかゲーム内で聴けず、あとはインスト版が通常戦闘で聴ける感じ。
テンション上がるけど美しくて切ない、みたいな感じで良いんだよね。自分には高い声が出るっていう特技があるので、カラオケ配信とかされたらコロナ落ち着いた時に歌うよこれ。
主人公の月歌が元伝説のロックバンドのボーカルという設定もあり、自由時間に31A部隊の仲間達を巻き込んでバンドを組むことになる。これがストーリー的には今後人類の希望の歌になる……とかそういうのはありそうだなって。

もちろんボーカルなしのBGM群も良くて、各シーンやマップに合わせた音楽が流れます。とはいえボーカル曲がことごとく良いので、感想はそっちに持っていかれちゃう。

まとめ

ストーリーというか少女達の会話のノリや、今の時代からするとやや古くも感じるコマンドバトルRPGなど、合う合わないはそれなりにありそうだけど刺さる人には刺さる、そんなゲームじゃないかと。
自分はコマンドRPG好きなので全然アリでした。女神転生のプレスターンバトルとか未だに今まで遊んできたゲームで最高レベルのシステムだと思ってるから(終盤の相性無視高火力ゴリ押しバトルと化すゲームバランスはともかく)。

「新しさ」は正直ないんだけど、だからこそ取っ付きやすく、そして世界観やBGM、ストーリーに没入しやすくなっているような感はある(ただ序盤からちゃんとキャラの強化しないと、すぐ厳しくなるゲームバランスにはなっている)。
戦闘システムがややこしすぎてストーリーに入り込めないとか、そういうことを意識したからこのバトルシステムに落ち着いたのかは分からないけど、どう考えてもこのゲームの軸は「ヘブンバーンズレッド」という物語であって、バトルはその副菜だとは思います。そこは理解した上で遊ぶかどうかを判断すべきかと。
このストーリーやキャラクター、世界観が合わないならダメだろうし、戦闘システムの楽しさが全てでストーリーとか興味ない人も多分ダメ。
極端な話ストーリーやキャラ・世界観設定が斬新なわけでもないし、バトルシステムが新鮮なわけでもない。ただしそれらはかなり丁寧に作られているというゲームではないかと。

クオリティは高いけど人を選ぶだろうなあと感じたのはそういう点からですね。「新しさ」を欲する人からすれば物足りないでしょう。
スマホでストーリーがしっかりある1人用RPGをじっくり遊びたいって人には一回手を出してみて欲しい作品。先にも書いたけど、ペルソナ3が好きな人は割と噛み合うんじゃないですかね。

「はじめてみるか」と思った方に一つアドバイス。冒頭に画像で紹介したSS國見タマ、ヒーラーでありながら高火力全体攻撃スキルも持つかなり優秀なキャラなので、最低限彼女が出るまでリセマラしてから開始した方が快適にストーリーを読み進められるでしょう。必須キャラではないけど、いるのといないのとでは快適さが全然違うと思う。
割とレアリティによる性能格差が大きく、実際プレイしてるとSSキャラと同じレベルのSキャラがいるとして、明らかにSキャラの耐久力が低くすぐ瀕死になることが多い。また覚えるスキルもSSキャラは攻撃と回復を覚えたりする一方、SやAだと一つのことしかできないパターンも多い。
当たり前だけどストーリー進めるためには戦闘で勝たないといけないので、途中でパーティ強化するために立ち止まるのが嫌って人はある程度スムーズにストーリー読み進めるためにもリセマラはした方がいいでしょう。自分はSS國見タマ+SS2体でスタートしたけど、このくらいまでは粘った方がいいと思います(それでも多少パーティ強化のためにレベル上げや強化素材集めはしたからね)。リセマラ自体は1回数分で終わる親切仕様にはなってますので。