心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

「麒麟がくる」の織田信長を考察する

どうなんですかね?未だに賛否両論あるんでしょうか、大河ドラマ麒麟がくる」の織田信長

信長の野望・大志 with パワーアップキット

信長の野望・大志 with パワーアップキット

  • 発売日: 2019/02/14
  • メディア: DVD-ROM

今までの人が思ってきて、今までの人が積み上げていった「革新的で野心があり、自分でガンガン進んでいく男」みたいなイメージとは割とかけ離れているキャラクターだと思いますが……とにかく近年の織田信長研究を踏まえている今年の新しい織田信長、個人的にはめちゃくちゃ面白いんですよね。

スポンサーリンク



周りが優秀で上手くいきまくり気が付けば天下を取りかけていた人

実際はこうだった説が出てきている。
言ってみたら小さな中小企業の経営者でしかなかったのが、企業合併だとか大企業から協力要請されたりとか、はたまた突然ライバル企業が倒産したりだとかが起きた結果日本一の大企業になってた、的な実態だったのではないかという話。

この説をベースにして、信長の源泉は母親の愛を受けられなかったことという味付けをしたのが本作の信長ですかね。
この辺を踏まえて振り返ると、話を聞いた後に光秀の言う通りにするという展開が多かったり、自分の独断ではなく周囲の意見はちゃんと聞いて動いている。今までのイメージの「信長が突出して天才的で、それに部下が振り回される」みたいなやつとは違うなあと思いながら見てる。

母親から得られなかったから、他者から評価されることが至上の喜びの麒麟信長。
戦で勝てば皆が喜ぶから戦は嫌いじゃないし、将軍を支えて幕府を再興すれば大きな国となり、多くの人が喜ぶから義昭と考え方は違うけど義昭の意志を尊重して支える。多分戦よりも平和の方がより多くの人から評価されると思えば、迷わず戦なき世に邁進するよね。
木下藤吉郎が作中言っていたように、信長は「1日で城を作れ」みたいな無茶苦茶なことを言うけれども成し遂げればちゃんと恩賞を与える。これは若い時に敵の首を取ってきたのに、父親に叱責されたりした「正当に評価されない苦しみ」を身をもって理解しているからでしょうか。

織田信長ADHDだったのではないか?という話もあったりして、実際に残っている文献からは感情的な動きは垣間見える。
割と「麒麟がくる」前半の信長の、親からの愛を受けてこなかったトラウマを人間性に絡めながらこの辺を展開してくるかなあ……とか思ったり。


ここから足利義昭との決裂や浅井長政との戦い、比叡山焼き討ちなど信長が暴れ始めるので、そういった出来事をどう味付けしていくのかが楽しみです。
比叡山焼き討ちなんかは明智光秀にとっても重要なターニングポイントとして描かれることも多いが、近年の研究では光秀くんが嫌々どころか、むしろやる気をもってきっちり業務にあたっていた説も出てきてます。

義昭を追放された後も信長に付き従った理由、長宗我部元親との交流、そして信長を討つに至った経緯……後半面白いポイント大量に存在するので相変わらず楽しみです。