心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

麒麟がくる 第十七回「長良川の対決」感想

まず……年内で終わらせるために話数減らすって話を聞いてショックを受けているところ。

麒麟がくる 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)

麒麟がくる 前編 (1) (NHK大河ドラマ・ガイド)

そこそこ評判も良く、視聴率もここ数年ではかなり良い作品。
年跨いでもいいから予定通りに作ってもらいたいけど、役者さんのスケジュールとかあるでしょうしね。残念ですわ……。

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ってことで今回は斎藤道三、暴走した息子へのケジメをつけに行く……みたいな。後継者に義龍を選んでしまったことへの自責もありそう。
ほとんど主役は本木雅弘さん演じる斎藤道三と、染谷翔太さん演じる織田信長になりつつある中で、斎藤道三がここで離脱するわけで。ここから残り何話になるのか分からんけど、間違いなく前半のクライマックスだし、自分は斎藤家の内乱をちゃんと描いている作品自体今まで観てきたことがないのも新鮮でいいですな。

明智光秀は叔父・光安を追って斎藤道三の元へ。敵は義龍……。
帰蝶の「皆愚か者じゃ!」に込められているのが、ただ家族が戦い合うことへ向けられたものだけではなく「勝てない戦とわかっていながら挑む道三」とか「それに加勢しようとする信長」にも向いているのがいいなあ。感情もあれど道三譲りの合理性が垣間見える。
本当に今年と帰蝶のキャラクター像は素晴らしいです。

なんだろうなあ……この斎藤義龍、どう考えても人望はないんですけれども、何故こいつが戦場で姿を現したらみんな道三方の武将がこっちに着くと思えるんだろうか。
それこそ「理」でいうと義龍にくっ付くが「義」という面では……。


こういう戦いって、実際に川の中で水に浸かりながら戦いあったのかね?
やっぱり今年の大河、ちゃんと合戦シーン撮ってていいわ……これだけで評価できるわ……。

結局数よな。この時の道三がビシッと鉄砲揃えたりしてたら変わったかもしれんけど、まだそんなことが戦術として確立する前の時代ですしね。

太鼓の音をバックに、馬に乗った光秀が一人駆ける。
太鼓と音が止んだ瞬間、霧に紛れて単身姿を現す道三。
いや、もうなんかさ、道三カッコいいの一言だよもう。この一騎討ちのシーンやべえなぁ……。
「そなたの父は、この斎藤道三じゃ!」って言ってる時と表情が少し哀しみを湛えているのがまたなんとも辛い……。

明智光秀くん、わずかに間に合いませんでした。
罠にはめられたとか「親殺しの汚名」とか言ってるけど、この一騎討ち見てた兵の皆さんはこの一連の流れ知ってて義龍に着いていこうと思わねえと思うんだが。嘘は道三もつきまくっていたが、これ嘘の性質が根本的に異なるからな……。

光秀の言った「己への誇り」っていいですね。道三や光秀、そして光安叔父上にもあるもの。そして土岐頼芸や義龍には確かにないもの。
自分が「土岐頼芸の息子」と偽り続ける限り、義龍には自分を誇れないだろう。

帰蝶の方がめちゃくちゃ道三イズム受け継いでるのも地味に伏線になり続けている気がしますな。これは織田信長が斎藤家を討つ理由の強化にもなるし。
んでマジでお駒さんのパートの必要性が分からねえなあ……本筋にも絡まないんだからもういらないよ、はっきり言っちゃうけど……。

叔父上、家督を光秀に譲る。これもう自分の死期が近いの分かってるよな。
この辺、光安叔父上の「己への誇り」。光秀が継ぐまで明智の家を守り抜くという「誇り」。明智を絶やさない「誇り」。
光秀が生き抜くことが、明智を生かす……叔父上イケメン過ぎるゥ!!本当前回と今回の2話だけで一気にカッコよくなったなあ。そしてそれはここまでのひょろひょろしていた叔父上という反動があるから余計に……粋な演出やでえ。

母ちゃんは残る宣言。そういや以前、この土地を守ることが第一みたいなこと言ってましたしね。
前半は道三でグッときて、後半は明智一族の絆でグッとくる。いい回だった……。
道三・義龍ペアと光安・光秀ペアの対比も効いてたな。本当の親子が命を奪い合い、直接の親子ではない2人が強い絆で結ばれていて託される。

第一部の最終回として綺麗に終わった感じで良かったです。密度濃厚で、普段だとあっという間に終わる45分が今回はじっくりした45分だった。
一度全てを失う明智光秀。越前の朝倉家の元で、再起編が始まるぜ。