心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

闇の科学史に迫る「フランケンシュタインの誘惑」が面白いぜ

最近毎週欠かさず観ている番組の一つが、NHKの「フランケンシュタインの誘惑」。

闇に魅入られた科学者たち―人体実験は何を生んだのか

闇に魅入られた科学者たち―人体実験は何を生んだのか

死者を蘇生させる実験、ロボトミー手術、国家単位で行われた東ドイツでのドーピングといった、科学の歴史の闇の部分に注目した番組です。
そもそも闇の部分だからあまり表立って話されることも少ないせいか、この番組で初めて「こんな恐ろしいことが行われてたんかい……」となることも多々。学びもあるいい番組だと思う。

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浦沢直樹の漫画「MONSTER」とか思い出しますよ。モラルとか完全にロストしたマッドな人による人体実験の数々というか。
「人間はね……何にだってなれるんだよ」という作中のセリフが思い起こされますな。


例えば死者蘇生では、これを実際に実験しようとすると「死者」が必要になるわけですね(既にヤバイ)。
そこで病院で助けられず亡くなった人を利用して実験したり、犬の生命活動止めてから蘇生実験したり、極刑が決まった受刑者の中に刑を受けた後実験していい人間を探したり……とやりたい放題。


東ドイツのドーピングでは選手たちには「ビタミン剤だ」とか嘘ついて飲ませ続け、現在もその時の薬による後遺症に苦しむ人が沢山いる。
この回結構苦しくなったな。選手はドーピングしているつもりはなかったから、一所懸命に努力して手にしたと思っていた金メダルが、実は薬で手にした、自分の力ではない金メダルだと知る気持ち。


携帯電話とかパソコンは戦争によって発展したり、なんというか闇の歴史から発展して現代では活用されているものもあったり。死者蘇生を目指したコーニッシュが行なった蘇生手段の中で、心臓マッサージと人工呼吸を交互に行うというものは現在では救急蘇生法となってます。まあコーニッシュ自身は論文とかまるで残してないらしいんだけどね。


戦時中の毒ガスの人体実験とかもそうだけど、もう想像するだけでもおぞましいことは結構行われていたわけで。
そんな歴史を反面教師にして学ぶのもまた大事。そんな番組かと思います。