最近戦国時代の終わり際しかよく知らないことに気が付いて(具体的には織田信長以降ですね)、家康のおじいちゃんである清康のスペック半端じゃないこととか色々読んでいるうちに足利成氏まで遡ってまいりました。
- 作者: 坂田祐樹
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 単行本
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応仁の乱が戦国時代の始まり、みたいに言われるけれども、その応仁の乱のきっかけの一部にもなったんじゃねえかというのが享徳の乱。
この享徳の乱、なんと28年間も続いてるんだよな。この間に応仁の乱が始まって終わってる。そんな戦を引き起こしたのが足利成氏であります。
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父親である鎌倉公方・足利持氏が当時の室町将軍・足利義教に敗れ自害。
なんやかんやで一度取り潰された鎌倉公方として跡を継いだ息子の成氏は、関東管領・上杉憲忠を始末。関東管領と、やがてその背後にいる室町幕府・足利義政を相手取り、30年近い闘争を続けるのである。
復讐者的な足利成氏ももちろん燃えるんだけど、成氏と享徳の乱をちゃんと描いていくと、文化人ではなく武家の棟梁としての8代将軍・足利義政を見ることができると思うんだよな。
銀閣寺建てたりしたのんびりした人ってイメージがあると思うけど、ちゃんと成氏討伐の派兵とか指示してるんだよね。享徳の乱について少し調べてみて、一番印象が変わったのが足利義政です。
関東で長引く享徳の乱と、関西で勃発する応仁の乱のザッピングも面白そう。
Wikipediaさん情報だと享徳の乱を抑えきれなかった将軍と管領への不満が応仁の乱の遠因でもあるらしいので、絶対に負けを認めない足利成氏の執念が戦国時代を呼び寄せた……的な。
享徳の乱の最中に、成氏は鎌倉から古河に移って古河公方が誕生したり。
義政は室町幕府としての鎌倉公方を立てようとするけど、上手くいかずに堀越公方が誕生したり。
大量の足利と、大量の上杉が出てくるから名前を覚えるのが大変な時代ではあるけど……。
1450年くらいから1500年くらいまでの絶妙な時代よ。お父さんの持氏の時代を少しだけ触れつつ成氏の幼少期とか絡めると、ざっくりと1400年代全体を描けるステキな人物だと思うのです。