コンパクト版ゴルゴ13の現在の最新155巻。
ゴルゴ13 155 凋落した名車 (SPコミックスコンパクト)
- 作者: さいとう・たかを
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2018/10/30
- メディア: コミック
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こちらに収録されているエピソード「カリブの人喰い菌」でゴルゴのお金に対する考え方を知る、興味深いセリフが出てくる。
俺にとって金は、ものさしの一つに過ぎない……
これねえ、ずっとゴルゴ13を読んでくるとよく分かるセリフなんです。
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ゴルゴが金で仕事を請け負うのは、それが人間にとって共通で価値を持つものだからに過ぎないと思う。
金この世界で仕事をするために必要であり、また依頼人の本気度を計るための文字通り「ものさし」足り得るからってだけ。
「ものさしの一つに過ぎない」ので、結構金がない依頼人の仕事を請け負うこともある。
例えば「ガリンペイロ」。
ほとんど価値がない、小さなダイヤの原石を依頼金として仕事を受けたゴルゴは、戦闘車両から重火器まで揃え、さらにターゲットを誘き寄せるためにハイジャック犯を装う(この時に現金150万ドルも身銭から用意)。
どう考えても赤字なのだが、瀕死の依頼人マリオが小さなダイヤの粒を託し命を引き取ったところを見たゴルゴが、その依頼人の想いを汲み取ったと思われる。
他にも「黒い通信」では、自分を脅迫する少年の命を奪った後にその少年の残したビデオレターを観る。「お金がない彼は自分の命を報酬に仕事を受けて欲しい」という内容を確認したゴルゴは、仕事を遂行した。
全額前払いの高額な報酬は、ほぼ全ての人間にとって一番明確な「ものさし」であるから使っている。簡単に言うと「分かりやすいから」でしょう。
だからこそ、逆に言うと「命」とかによっても仕事を請け負う。
「金が全てではない」なんて言葉、この本当の意味の一端をゴルゴ13に垣間見るのである。