
- 作者: 板垣恵介
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2018/02/08
- メディア: コミック
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先日書いた刃牙道に対して思うこと。
それに付随するあたりをもう少し書いてみようかなと思います。
どこが一番問題なんだろうって思った時に「各キャラクターがことごとくブレブレ」というのが問題かなあと。
前書いた通り「キャラクターが勝手に動いて話を作っていく」のに、そのキャラクターがフワッフワしている。
物語の土台であるそのキャラクターたちが作る物語は、当然フワッフワする。
パンケーキならそれで良いけど、これ刃牙なのよね。
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刃牙道でちゃんと軸があってマトモなの、花山薫だけですよ僕が読んでいる限りでは。あとは烈海王くらいか。
花山薫という人間だけは行動理念と実際の行動が一致しているから、正直刃牙道になってから唯一素直に読めたのが花山薫VS宮本武蔵だった。
ただ致命的に問題なのが、全てに絡んでいる宮本武蔵がブレていること。
人を容赦なく斬るんなら、徹底して相手を斬っていただかないとおかしくなってくる。
作中でとどめを刺したのは烈海王と、警察の皆さん……ってどういうことなんでしょうか。逃げたピクルはまあ良いとしても、本部さんとは命の取り合いレベルで戦ってなかったとかそういうのなんなの。
そのくせ警察は容赦なく斬る。本当になんなの。
徳川さんもそうで、自分でガンガンお膳立てしておいて、いざ烈ちゃんが命を落とすと泣く。
それで懲りるかと思いきや、烈のことはもう忘れたとばかりにピクルやら何やらとどんどんマッチングし、警察が被害受けても御構いなし。
本部は守護る守護る言って戦い、とりあえず武蔵に勝つことが出来た。そうしたら自分より後に戦おうとする人間は別に守護らない。この人は何から何を守護ろうとしたのだろうか。
一方で個人的には意外と面白かったのが本部VSジャックとかなんですよね。もう武蔵いらないんじゃねえの?あの世で宮本武蔵泣いてるんじゃないの?
詰まる所ひとりのキャラクターがやっていることに一貫性がないせいで、読んでいる側として「なんでこんなことやってんの?言ってんの?」みたいな展開が続いている感じで。
じゃあ格闘マンガだし、格闘の部分はどうなんだっていうと流れとかブツ切りの、独立した一つ一つのやりとりが交互に繰り返されるだけ。
武蔵が殴って、刃牙がやり返して、武蔵がまた殴って、武蔵が殴り返されて……。ただそれだけのターン制バトルになっちゃってる。
武蔵の「刀を持たない剣術が完成系で、その完成前夜だ!」みたいな話は何処にいったんでしょうか。
こんな状態で休載増やされても、すでにしんなりしながら惰性で読んでいる僕みたいな考え方の人はいよいよ離れていくと思う。
グラップラー刃牙読み返したら面白いもんねえ。格闘シーンもターン制みたいな展開が多少あるものの、そこには熱量とかあったし。