心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

言葉は時として最強の武器となる「黒い熱風」

さあゴルゴ13に学ぶ「まいにち、東郷!」今回はゴルゴがほとんど何もしない「黒い熱風」から。


この名言が飛び出したお話です。

銃殺刑直前のゴルゴから始まる衝撃のスタート。
引き金が引かれる寸前にカイヨーテ大佐に助けられ、軍事法廷へと引き出される。
身動きを封じられたまま、ゴルゴのとった行動……いや言動とは。

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ゴルゴの処刑を止め、法廷に引きずり出したカイヨーテの狙いは軍内部にいるゴルゴに仕事を依頼した人間を見つけ出すこと。
しかしそれはゴルゴを利用したカイヨーテの陰謀でもあった。

実際はゴルゴが仕事をする前に、別の人間によってターゲットは始末されてしまう。そしてそのまま付近にいたゴルゴが犯人として捕まってしまうのだが、そこからゴルゴはこの事件全体の推理をする。


ゴルゴに依頼したのはカイヨーテ大佐その人であり、ゴルゴを実行犯として仕立て上げ、さらにその依頼主として組織内部の人間を失脚させることで自身の利益を狙った計画。

しかしそれもゴルゴの性のテクニックに魅了されてペラペラ話してしまうカイヨーテの部下の女(まあこれは読んでみるとゴルゴがブラフかましてる気もするけど)によってバレていて、そのままカイヨーテが「ばかなっ、アリーナに限って・・・」とその女の名前を口にしてしまったことでエンド。
場が荒れ、視線がカイヨーテの方に集まっている隙をついてゴルゴは脱出します。


まあ、何でしょうか。
この話読んでみるとゴルゴは何もしてないんで、そういう意味では一般の評価は低めの作品かと思う。
それでもこのゴルゴの話術も、彼の戦闘能力の一端でもあるのだろうなあとも思えるのである。

カイヨーテ大佐は「策士策に溺れる」の体現者で、その策の一部にゴルゴを利用しようとしたのが最大の間違い。
推理力で真犯人を突き止めると、自身は武器もなく両手を封じられた状態から言葉だけでカイヨーテを追い詰める。どこか逆転裁判的な感じもある。

「策を弄するやつにかぎって、感情のひねりに弱いということか・・・」
というゴルゴ13の言葉からは、もはやカイヨーテ大佐の心理・人間性も見切っていたことが読み取れるというもの。

銃がなければその場のモノを使い、それもなければ素手で、手が封じられれば頭と口で戦う。
必ずどんな状況でもできることがあると考え、実行する。それが生き残るための手段となる。

それをゴルゴは文字通り、言葉で教えてくれている。