久しぶりに読書感想書きましょう。
結構いろいろ読んでるけど書いてない。それはなんだかもったいない。

- 作者: 鷲田清一,永江朗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: 文庫
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どちらも哲学に明るい鷲田清一さんと永江明さんが、対談形式でああだこうだ話していくスタイル。
「ある哲学者の、ある1フレーズ」をテーマにして、そこからにょきにょき話してます。
なんというか、こう喫茶店とかでパーっと話していくみたいな軽い感じで重苦しくないし、現代社会を生きている人が話を展開しているだけあって今の人に分かりやすい例に落とし込んでくれてていいですぜ。
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一応「授業」と冠しているだけあって、紹介されている哲学者さんの考え方の大枠みたいなものは紹介されている。
九鬼周造なら「偶然」がキーワードですね。メルロ=ポンティなら「身体」かな。
そこから鷲田さん、永江さんがぬるぬるっと話を膨らませていく。
それが現代社会にリンクしたテーマになっていくから読みやすいんですな。今のフェティシズムとか、俗的な話にもなっていくので身近に感じられるかもしれない。
「哲学」という言葉だけ聞くと取っ付きにくいけど、その内容はというとおそらくどんな学問よりも「人間が生きること」に密着した学問なんですよね。
そういうことに気がつくことのキッカケになりそうかな、と思った本でした。
あとテーマとして「ある哲学者のカッコ良いフレーズ」なので引っかかりやすい。
「この一文なんか分からないけどカッケェ」みたいな気持ち、大事にしたい。
個人的にはこの本でグッときたのはアウグスティヌス、九鬼周造、そしてメルロ=ポンティ。あと改めてスピノザの魔力にやられるという。
「それらはあなたによって存在するのであるから、たしかに存在するが、あなたが存在するような存在ではないから、けっして実在しない。」
アウグスティヌス、仏教みたいなこと書いているなあ。