九節鞭、敗れたり。
ダメージを負っているのは武蔵なのに、追い詰められているのは烈海王というこの構図が印象的だ。
刃牙道 コミック 1-5巻セット (少年チャンピオン・コミックス)
- 作者: 板垣恵介
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2015/03/06
- メディア: コミック
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一振りで引きちぎられた九節鞭。
それを目の当たりにした郭海皇、「たまらん」らしい。
若い時……おそらく回想シーンからすると筋肉信仰者だったころ〜現在の過渡期でしょうか。中国拳法そのものと言われる郭海皇も、九節鞭を振ったことが当然のようにあったようだ。
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手のひらの皮膚がズタズタに破れるほど振り、その傷口に塩を擦り込みなお振る。
手のひらの傷がなかなか治らぬことに苦慮するほどのペースで降り続けた九節鞭の鎖が千切れる……などと、郭海皇ですら考えたことがなかったらしい。
すげえ顔で驚いてます。現代の140年と戦国時代の60年ではこんなに違うのだ(武蔵が寿命で死んだ後の精神ならね)。
宮本武蔵、再度納刀。
それどころか刀を烈に投げ渡しちゃったよ。
「侍と戦うんだから剣くらい勉強していけよ」的な。
烈さんは決して刀を抜くことはせず、刀を打撃武器のようにして連撃をヒットさせ、武蔵をダウンさせた。……うーん、武蔵これ技と喰らってるか?
「私は拳法家」
「丸腰で近付くことは許さん」
だそうで。うへえ。
ボクサーはプロライセンスを持つと、その拳は凶器とみなされ路上の喧嘩で手を出せなくなる。まあ磨き上げた格闘技・武術はそれだけ危険なものということですな。
烈海王は「中国拳法」という武器を所有している。それが拳法家だ。
その私に近付くのに、素手はいけませんよ、というところか。
烈から返された日本刀。
そして武蔵は例の言葉を放ってしまいました。
「烈海王敗れたりッッ」
場内騒然。
「ホントに言ったよッ」
「武蔵バレバレ」
「ウケるッ」
「小次郎敗れたり!?」
いやいや。
観客のテンション変化についていけないんだけど。
試合開始直後は「沸けない」とか言ってた奴らが何故こんなに楽しそうに騒げるのか。
武蔵は武蔵でびっくり。
「伝わってるのかこの言葉」
「有名です」
という烈とのアットホームな会話……もそこそこに再び日本刀をぶん投げる武蔵。今度は烈にではなく、武器だらけの砂山に鞘ごと突き刺した!
それに気を取られた刹那……
「近づいたぞ 拳法家よ」
まさかの宮本武蔵側から素手同士の対決に持ち込んできた。板垣先生が殺し合いを描ききれなくなったから……とは考えたくないので、ここからまだまだ長い気がする。
宮本武蔵の体術をどう描くかってのは恐ろしく難しいテーマだと思っていて、確かに昔の剣術家は剣術を通して特定の技術ではなく「身体操作そのもの」を開発していたらしいので間違いなく強いんだけど、それをどう表現するかっつーと剣術から分かれ、現代にも伝わる柔術かなーと思うんだけどそれはもはや本部以蔵がやってるよねっていう。