
- 作者: 樹林伸,メンタリスト DaiGo
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/07/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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マルチな才能を発揮しながら、マンガ・小説・ドラマなどの分野でいまだに第一線で活躍を続ける樹林伸さんと、人の心理を読む日本唯一のメンタリスト・DaiGoさんの共著である「冬を越せるキリギリス 好きなことだけ続ける仕事術」を先日読み終えました。
本著で繰り返されるのが「リソース」という考え方。
これは以前から私も言葉を変えてこのブログで触れてきたことでもあったのですが、「自身のリソースの量を理解しておく」という大切なことは、今の日本の教育ではまず行われないだろうなあという思いが強まりました。私は根性というリソースがまるでないですし・・・もっと早く知りたかった。
それだけにこれから就活をするような人にこそ読んでほしい、そんな一冊でしたよ。
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リソースは有限だということを理解する
努力ができる。我慢ができる。地道にものごとを進めていける。そんな人の内側には、努力をするための心の容量、「リソース(資源)」がたっぷりとあるわけだ。
それはそれで、とてもいいことだと思う。そうした人がいればこそ、社会は円滑に動き、世の中は推進していく。
でも。残念ながら、世の中はそこまでデキた人たちばかりじゃない。
努力という言葉を使うとなんだかきれいにまとまるけれど、ここでいう努力とは、「やりたくないこと」と言い換えてもいい。やりたくないことにかけられる労力とパワーは人それぞれで、それが大きい人のほうがたとえば会社に入ってもソツなくいろんなことができる。
でも、樹林さんや私のように、そのリソースが少ない人というのは、確実にいる。しかも、意外にたくさんいるはずですよ。DaiGo
まずは自身のリソースの量を理解する「努力」をすることが最優先事項であり、それが分かっていないのに無理をすると精神を壊したりするというわけです。
私はようやく自分のリソースのバランスを知り始めたくらいなもので、それはこうしてブログを書いているうちに自然に分かってきたように思うんですが、もう少し早くこの本を読めていれば理解は早かったように思います。
私のリソースは少ない少ない言ってましたけど、自分で思っているよりはあるのかな、と最近は思っています。
ただそうだとしても、おそらく普通の人よりは少ない。結構少ないでしょう。
じゃあどうするかというと、「リソースを使わない方法」というのを考える。自分の強みと弱みを理解したうえで、強みのほうを活用した道を模索していくというのが、一番楽で成果の出る方法かと思います。
強みを使うときは、間違いなく弱い部分でなんとかやりくりするよりもリソースの消費は少ないですからね。
この本の面白いところというかいいところなんですが、初めに樹林さんの実体験におけるリソースの話や仕事の話があって、そのあとに関連するような話、メンタリストとしての技術をDaiGoさんが続ける、というスタイルなんですね。対話ではなくて、二人のある程度まとまった話が交互に繰り出されながら進むというものです。
実際にリソースが少ないと自覚しているが成功した人のエピソードのあとで、それに対するロジカル・システマティックな解説のような流れになるので、すごく読みやすいのが印象に残っています。
実際はそう簡単に「冬を越せるキリギリス」になるのは難しいでしょう。それには行動する勇気や、周囲に迎合しない覚悟のような、また異なった「リソース」が必要になります。
それでもこの本を読むことで、今までこのような観点で自分や仕事というものを見たことがなかった人には、文字通り目の覚めるようなことが書かれている一冊なのではないかな、と思います。
「好きなことをするときにはリソースを使わない」
この考え方をうまく咀嚼していろんな分野に応用していく。
それを意識してみたいと思います。