「生」を知った若者たちは、その戦いの果てに「死」を知る。
PERSONA3 -#2 Midsummer Knight's Dream‐
やっと観ることができた。まあ始まってたことを知らなかったんですけどね。
第一章では山岸風花の仲間入りと、主人公結城理が少しだけ命の意味を考え始めた。
本作では夏休みに入った特別課外活動部のメンバーと、いよいよメインヒロインであるアイギスの出会いが描かれる。
……かと思いきや、今回の主役は荒垣先輩でしたね。涙腺ががが。
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オープニングはゆかりちゃんのシャワーシーンから。
「恋愛」のシャドウ撃破〜夏休みの屋久島旅行・アイギス加入までは、全体的に明るくコメディタッチで楽しく進む。
でもここまでは序盤も序盤。ペルソナ3はまだ牙を向いてないぜ。
ストレガの出会いがみんなを変え始める。
敵対する彼らの言葉は、いずれも何か陰をかかげる主人公たちに戦いの根本を問いかけていく。
影時間をなくすために戦う彼ら。その影時間がなくなったとき、彼らの青春もまた終わる。
言葉に出来ない渇望。生きる意味を戦いそのものに見出してしまった結城理は、影時間がなくなってしまうことに寂しさのような感情も覚え始めるのだ。
これ以上ストーリーのあらすじ語ってもアレなんで端折りますけど、個人的に「ペルソナ3」全体の大きなターニングポイントとなる
「荒垣先輩の死」が濃密に描かれたのがこの第二章。
半年弱、ペルソナ使いとしてシャドウと戦い続けてきた彼ら。
結局はみんな大した怪我を負うこともなく戦ってきたせいで訪れていたのが「ゲーム感覚」それどころか「戦いが楽しい」とでもいうような感情。
こうした、いわば現実とはズレた感覚を現実へと引き戻し、今まで登場人物が目を背けてきた「死」を直接的に叩きつけるのがこのイベントだ。
荒垣自身はかつて自身の力不足によるペルソナ暴走により、一人の女性の命を奪っている。
仲間たちの中で唯一「死」の理解に一歩近い男は、自身の死によってその意味のヒントを託す。
これまで若さゆえに輝ける「生」だけを見て生きてきた少年たちは、始めて「死」を知った。
この戦いの本当の意味を知るための第一歩がようやく踏み出された……ところでエンディング。
スタッフロールで流れる「one hand,one heartbeat」がとんでもなく切なくていい曲だった。
始めの夏休み、そして夏祭りのエピソードとの対比で、より荒垣の死が印象的になっていたのは見事。本当に伝えることが分かっているというか。
地味に己の身を壁にして仲間を守りまくるアイギスの戦い方も効いてるかなーと思った(アイちゃんメカだから無事だけど、あれ他のやつがやったら死んでるだろうし)。
主人公のペルソナはオベロン〜シーサー〜トート〜ダーキニーでしたか。あいだにオルフェウスが数回。相変わらず渋いペルソナ使う劇場版主人公。
アクションはアイギスの加入でド派手に、物語は荒垣の死によってグッと本質へ。文句無しに面白かったです。
物語としてはここからが本当の始まりとも言えるのがペルソナ3。
さあ、第三章が楽しみになってきた。
地味に本編始まる前の「劇場内での注意」をエリザベス・マーガレット姉妹の漫才みたいなノリでやられたのはニヤニヤしてました。
「劇場内でのお煙草、アギダイン、マハラギダインはお控えください」
他はいいのかい!