さっくり参ります。仕事の休憩中に書く雑感みたいなものなので。
これを読ませてもらって、自分の14、15歳くらいのことを思い出した。
当時の自分は、まあ内向的ってわけではないのだが周囲より色々考えていた……と思う。結果内へ内へ思考が潜っていったというか。
中学校に行く意味を見出せなくなり、「俺って何のために生きてるんだろう」と考えはじめ、若干不登校的な気配をチョロ出ししたのがまさに中2の頃。邪気眼には目覚めなかった。
結局2ヶ月くらいの期間、毎週2、3日学校を欠席していたんだけど。
これって不思議なもので、行きたくねえ行きたくねえと思ってると体調も悪くなる。朝になると頭痛くなったりしてね。
んで、「なんで学校行くんだろう」、ひいては「なんのために生きてるんだろう」に結びついていって、でも自殺するなんて気持ちはこれっぽっちもなかった。
そこでおもむろに大きめのリュックを持ち出して、折り畳み傘とか色々詰め込んで、「じゃあ生きる理由を探す旅に出よう!」って思ったまでは良かったが、結局ちょっと丸くなった私はそのまま不登校的な時期を脱し、フツーに通学を始めたわけなのだが、この時が一番邪気眼に近い時期だったかもしれない。
日本地図とかも詰め込んだ記憶があるが、保険証とかはアウトオブ眼中だったのが若さだ。
「生きる理由がある」ってのは、一見すると確かに立派なことのように見える。
でも、見える世界を狭めるっていうリスクはあるし、何よりその理由にすがっていればいるほど、その前提が崩れた時に致命的なダメージを負うことになる。
- 作者: 板垣恵介
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2013/06/07
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このタイミングで格闘マンガ「範馬刃牙」の登場。
主人公の刃牙くんの生きる理由ってシンプルなもので、「父親である範馬勇次郎より強くなること」だった。それを理由にして18年生きてきた男が刃牙くんだ。
最終回でお父さんに強さを認められるのだが、このあとの刃牙くんには基本的には虚無感、なにかが抜け落ちた空虚な気持ちが残っていると思う。
少し前に連載続行が決定したので、そういう刃牙くんの心をどう整理していくのが見もの。
ただ本作で「生きる理由」について考える一番の例は、刃牙くんのお父さん勇次郎氏。
彼は「地上最強の生物になる」を目的に生きてきて、30代後半にしてそれを達成し、維持している。
マンモスサイズの象を素手で倒したり、その強さを認められアメリカと個人で同盟関係を結んでいたりするのだが、繰り返すように彼は生きる理由を「達成した」状態。
息子との直接対決に至り、刃牙くんの強さが自分に迫ることに歓喜する勇次郎。
逆説的に生きる理由を達成したが故に、強い虚無感を抱えていたのが浮き彫りになる、個人的にはいいシーンだ。
「生きる理由」なんてものはガッチリ決めない方がよく、それどころか決めれば決めるほどなにかがあった時に対処できなくなる。
中学時代を振り返っても、「何か明確な生きる理由がなくてはいけない」と思い込み苦しんでいた部分があるし。
後日もう少し煮詰めて考えたいが、生きる理由ってものには結構な「アソビ」を持たせていたほうが良さそうだ。