心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

虎穴に入らずんば虎子を得ず「檻の中の眠り」

さあようやく2巻目に突入。
初期のゴルゴ13の中でもなかなかの名作ではないかという「檻の中の眠り」登場です。

「パンドラの島」と呼ばれ恐れられる、アラスカの海に浮かぶ刑務所。
「脱獄は不可能」と言われるこの島に収監される一人の男……それはゴルゴ13だった。。その目的とは。


今回紹介する「檻の中の眠り」では、ゴルゴ13が依頼を遂行するために自ら絶海の孤島状態の刑務所に囚人として収監、さらにはそこで問題を起こして死刑囚にランクアップしつつターゲットに接近。
そのターゲットと協力して華麗に脱獄に成功した直後に「ズキューン……」です。
仕事のためには自分が死刑囚になるというリスクも背負う。

まさしく「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を体現しております。

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目的のためには時に最大限のリスクすら負う

実際問題として生きていると、小さなリスクすら恐れて踏み出せないということは結構あるもの。
一人で中の見えないバーに初めて入る時のドキドキ感とか、すげえよね。

別に命が懸かっているわけでもないのにこうなのである。人間にとって行動力のなさこそ最大のエネミーなのではないか。

さて、ゴルゴ13
わざわざ標的のいる監獄に自ら入り、さらにその標的に近付くために乱闘騒ぎを起こして死刑囚コーナーに移送される、いやさせる。
さらには標的と親交を深め、2人で命懸けの脱獄を敢行。
その知識・行動力によって難攻不落の刑務所から標的とともに脱獄に成功すると、そのまま標的を始末する……。

依頼内容はターゲットの抹殺だが、放っておいても死刑囚なのだから死ぬのにそれでは許せない、というのだから仕方がない。
「標的を刑務所から連れ出す」という手順が1つ増えたと同時に劇的に難易度の上がったこの依頼を、自分の命すら危うい計画で遂行する。


うーむ。この行動力はアレですか、クリエイティブな人は持っている資質なのかもしれない。ジョブズとか。
目的のためにどこまでリスクを負えるか。ゴルゴの場合は極端だが、使う時は命も迷わず使っていける気概が欲しい。

行動力と冷静さ

ただゴルゴ13ですから、ちゃんと「ここまでなら殺されない」みたいなラインを見切った上で暴動を起こしたりしていたのだと思う。
あと推察に過ぎないけれど、ほぼ確実に下準備して協力者もいたと思う。

ゴルゴ13の根底には常に「自分自身も含め客観視できる」というのがあるので、当然接触した人間がどういう人間かも客観視できている。
限りなく理詰めで動くからこそ、一瞬垣間見える人間臭さが光る。


最後に標的・ザラスを撃った後に言ったセリフがそんなゴルゴのヒューマニズム
「おれの名はゴルゴ13……おれが相手に名乗ったのは今度がはじめてだ」