心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

頭痛の章

なんという。
なんという、痛みか。
昼食を済ませ、仕事に戻った時にあった違和感が、爆発した。
久しぶりだなーー
そう思った。
今はやめてくれーー
とも思った。
頭痛が、仕事に戻ったおれを襲ったのである。

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薬を飲んでおけば良かった。
そう考えてから、いや、そんなことはなかったとも考える。
おにぎりを食べている時には、この痛みは予想できなかったのである。

「頭が痛い時には、カフェインを摂るといいんだぜーー」
ああ、これは誰の声だったか。
「チーズやワインは、頭痛を悪化させるぞーー」
それは、仕事中のおれには関係ないな。

ずき、
ずき、
ずき、
頭が、割れそうだった。
おれは、その脈打つような痛みに叫んでしまいそうだった。
「かあああああっ!」
叫んだ。
心の中で、叫んだ。
職場である。
叫ぶことができず、心の中で吠えた。

痛み。
痛みという言葉では足りぬほどの痛み。
鉄の棒を、一気に差し込んだようなーー
血管を流れる血液のリズムで、それは襲い続けた。
仕事中はやめろ。
仕事中はやめてくれ。
仕事に支障をきたすではないかーー
そういう思考をお構いなしに、無造作に頭痛は襲うのである。

一つだけ、分かっていることがある。
どうやら、おれは、夢枕獏の文体にーー正確に言えば、餓狼伝の文体に、惚れてしまっているらしい。
たまらぬ頭痛であった。