楷書から行書、やがて草書へと。
書でいうこの発展になぞらえると、剣の道における「草書」とは……?
時は宮本武蔵58歳。
武蔵ライフでいうと晩年も晩年。
つーかやっぱり史実通り亡くなったあと、その精神年齢で現世に蘇ったってことなんですね。
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門下生に稽古をつける武蔵。相手には木刀を持たせ、自身は素手。
闘う前から圧倒的な戦力差を分からせて、そもそも闘わないという逸話があるけど、アレのオマージュか。
ともかく間を読んで急接近、そのまま手刀や指で首から何から全身を「ざくざくざくざく」と言いながら斬ったフリ。
最後にはぶん投げて(足から着地させてあげる)
「細切れじゃの」の一言。
そんな晩年の武蔵殿、書に夢中だった。
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四六時中書くことを考える。
いつしか頭の中でも書き続け、気がつけば空という広大な半紙に書き続け、歩いていて白い壁を見つけたらそこに書くことを夢想する。
そんな地点まで至れば筆はいらない。
……剣も同じ。
え!?
武蔵が晩年において刀を持たなくなったのは、「剣の道において一番強いのは無刀だから」だった!!
つまり武蔵の考えていた奥義は無刀状態で発動するということか……!
先週武蔵に名前を問われた男。
「姓は範馬」
「名は勇次郎」
「人曰く地上最強の生物……」
「らしいわ」
この「らしいわ」によって完璧な対策をするのが勇次郎である。
「愚地独歩です……」
「ぶっ」
を防いでいる。
「俺はそう言われてることに対して別段特別な気持ちはありませんけど」がそのまま「らしいわ」に込められており、この言い方だと宮本武蔵だって「ぶっ」とは言わないし「地上最強の生物などと呼ばれあまつさえそれを受け入れるという〜」みたいなバカにされ方もされまい。
トークの立ち回りも一級品なのが勇次郎だ。
しかし今回の話によって、宮本武蔵が本気になると素手になるということが明らかになった。
つまり本気にさせた方が相対する者としては死ににくい。烈海王は本気にさせられなかったから斬られてしまいました。
パープル・ヘイズ・ディストーションみたいだわ。
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