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心の雑草

「げ」と申します。「旅=人生」というライフスタイルをめざして、心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

能登半島

徒然 徒然-ゆるい系 短編

「俺は勘違いをしていたんだ」
彼は溜息の混じったような言い方でその言葉を吐くと、ゆっくりとした動作で煙草に火を点けた。
「勘違い?」
島木譲二のだったんだよ」
まるで見当がつかない僕を無視して、彼は淡々と続ける。

「I can not 能登半島」
「・・・?」
「あれな、島木譲二のだったんだよ」


“あれ”と言われて、僕はさあ困ってしまった。“あれ”が“I can not 能登半島”を指しているのは分かるのだが、その“I can not 能登半島”が何なのかが分からない。
能登半島は一部が富山県のエリアもあるが、まず石川県と言っていいだろう。輪島塗で有名な輪島市もこの能登半島にある。
村上ショージは分かるだろ?」
それなら分かる。だが、それを言ったら島木譲二だって知っているよ、と僕は思った。
「牛丼おいどん西郷どん」
「今度はなに?」
村上ショージのギャグさ」
話が見えてきた。
「牛丼おいどん西郷どんと、I can not 能登半島・・・どこか似てるだろ」
「うん」
「長州チャーシュー皆の衆・・・これも似てるよな」
「うん、まあ」
「だからI can not 能登半島の村上ショージのギャグだと思ってたんだよ、俺は」

話をまとめるとこういうことらしい。
“牛丼おいどん西郷どん”は村上ショージのギャグだ。
“長州チャーシュー皆の衆”も村上ショージのギャグ。
だから彼は“I can not 能登半島”も同じシステムを内蔵していると踏んで、村上ショージのギャグだと思っていたらしい。

島木譲二はもっぱら新喜劇の人だったし、今は病気療養中らしいからテレビを見ているだけじゃ分からないかもね」
そんな返事をしながら、僕は能登半島と竹内文書のことを思った。
神武天皇よりもさらに古の時代、地球という星を統治していたのはその天皇であったとする竹内文書
その中には能登半島にモーセがやってきて、そのままこの地でその生を終えたという記述があるという。
そういえばモーゼパークというのがあった気がする。

彼は寄りかかっていた柵から身体を離した。
「・・・そろそろ行くよ」
「次はどこへ行くつもりなんだい」
「さあ。これから寒くなるし、暖かいところにでもいこうかな」
そうなると能登半島を勧めるのは少し難しいかもしれない。
「じゃあな」
いつものようにぶっきらぼうな挨拶を残して、彼は去って行った。

風が少し強く吹いた。それは僕の身体を撫でていく。
そうだ、松屋に行こう。
僕はそう決めて、Googleで最寄りの松屋を検索することにした。