妻の失踪事件ってのは壮大な前フリで、フィンチャーが見せたかったのはラスト15分~映画が終わってから後までずっと引きずるようなじわりじわりと絡みつく恐怖だったのではないかと。
というわけで2015年初鑑賞映画はデヴィッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」で行ってみた。
幸福な夫婦生活を送っていたニックとエイミー。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。警察はアリバイが不自然なニックに疑いをかけ捜査を進めるが、メディアが事件を取り上げたことで、ニックは全米から疑いの目を向けられることとなる。
ポスターは妙に感動作品的な空気感出してますがそんなもんに騙されるわけもなく、だからといって耐え切れたかというと耐えきれないくらいおぞましい主人公の嫁さん。
とにかく一言、「怖い」という言葉に尽きる作品。男女の仲の二人組で観るといたたまれない気持ちになると思うので非推奨です。おとなしくベイマックスでも観てなさい。
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表向きは仲良し夫婦として演じていたニックとエイミー夫妻は、その実破綻した関係でした。
そんな中で関係も末期になった5年目の結婚記念日にエイミーは突如失踪。
しかしこれこそエイミーの仕掛けた復讐であり、あたかも「ニックに殺されたように現場を偽装して自身は失踪することで、ニックを破滅させる」という怖いものなのであります。しかもニックの住むミズーリ州は死刑制度があるので極刑に落とせるようにやたら丁寧かつ完璧に状況も物証も整えたうえでの計画実行。世間の心評操作すら計算済み。
エイミー、恐ろしい子!
大分遅めにその事実に築いたニックは切れ者の弁護士の力を借りたりしながらカウンターに出るのですが・・・。
ここからがこの映画の本番にしてもっともおぞましい邪悪が訪れるわけですが。
結局エイミーの計画が変更を余儀なくされ(この変更過程もヤバい)、ニックのもとに戻ってくる。
そして死ぬまで一度自分を死刑に陥れようとした女と「仲良し夫婦を演じながら」生き続けなければならないのである。
そんな文字通り生き地獄の中で映画は終わる・・・。
もう一度観たくないが、間違いなく傑作でありました。
スーパー後味悪いけどな。