心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

もったいない休日。でも、満たされる

目が覚めると喉に僅かな違和感。
鼻も詰まっており、思考が働かない。


風邪をひいたらしい。

よりにもよって久しぶりの連休は、「風邪」とともにはじまった。


とはいえ、一日目(昨日)は休みと言えども用事があって職場に顔を出し、その後ずっと食べたかったラーメンを食べ、博物館に「法隆寺展」を見に行ったりと優雅な一日。


二日目の今日は、風邪自体は少し良くなっているのだが、いかんせん鼻が詰まっており呼吸が苦しいせいかイマイチ体力が回復せず。


模造刀を振り、いつもより少なめのストレッチをして、遅めの朝食を取ると、こうしてのんびりとブログを書いている次第だ。




「別に何も起きていない」「何もしていない」そんなことを敢えて書いてみようと思ったのは、昨日購入した本「疲れすぎて眠れぬ夜のために」の冒頭を読んだからである。

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)


冒頭のテーマは「ワンランク下の自分に」

「こんな生温い生き方にどっぷり浸かっていてはオレはダメになる。こうしちゃいられない」と苛立って、「もう一ランク上の自分」を志向する人間、そういう刻苦勉励型の人間を家庭も学校もメディアも「望ましい人間」として推奨していました。明治維新以来ずっとそうでした。
確かに、そういう「不充足感」をバネにして生きるということも堂々たる生き方だとは思います。けれども、ぼくはもう、そういうのはやめた方がいいんじゃないかと思うんですよ。

内田樹「疲れすぎて眠れぬ夜のために」


思い返すと、このブログで書いてきた記事だけでも「時間は有限だ」だの「努力の質が〜」だの、妙に意識高いようなことを時々書いてきた。
「ワンランク上の自分」になろうとして、そしてそれを人に半ば押し付けるような論法で書いていた部分もあるような、そんな気がする。

自分の可能性を最大化するためには、自分の可能性には限界があるということを知っておく必要があります。自分の可能性を伸ばすためには、自分の可能性を「たいせつにする」ことが必要です。

内田樹「疲れすぎて眠れぬ夜のために」


考え方次第ではあるけど、私が持っている人生哲学(決して“設計”などには満たないが)である「時は有限だからこそ、努力の方向、質を選択する『努力』が一番大切だ」とも比較的噛み合うのだが、「有限」であるのは時間だけではなく、体力、精神力、財力、そして自己可能性ってことだ。


言い換えると「自分のスペックに対して極端なオーバーをしないために」つまり楽に生きるための方策として、私は「努力の選択」という道を見つけたわけであって、なんというか「意識高い系男子を装ってたけど、やっぱり現実は如何に上手く手を抜いて生きていくか」を考えまくっていただけだったらしい。それが私だ。


肝要なのは、それが悪いことではないということであって、「如何に上手く手を抜きつつ、成果をきっちり上げて生きていくか」っていうのはただ一所懸命、がむしゃらに生きていくよりもずっと頭を使うし、難しい。

ぶっちゃけ「どうやったら楽に生きられるか」が起点になって、自己啓発チックな本とか哲学書なんかを読んでる。悪いか。


私のかーちゃんもこんな風来坊気質の私に対して、多少は不安を抱えているようだ。これこそ内田氏のいう「ワンランク上の人間を志向することが推奨される」世の中の影響を受けているってことかとも思ったりする。
私は金銭的、社会的地位、そういうものにおける相対的幸せは低いだろうけど、そこに何の価値も見出していない以上はいくら説いても無駄なのだ。






まあ、とりあえずブログの方から「ワンランク下の自分」を目指してみようと思うのである。

たまたま今日まで毎日更新が出来ていて、「連続更新記録伸ばそう!」とか思ってたけどそれはもういいやって感じなので、書きたいこと書けたら書くっていうギアまで下げる。

考えたこと、自分なりの人生哲学は今まで通り書くけど、これまでの記事より少し柔らかいものになるような気がする。無意識下で着飾っていた部分はなくなっていくだろう。
「こうした方がいいと思う!」から「とりあえず俺はこうしてる」くらいのニュアンスへ。



……なーんか、この記事自体がまだ「意識高いっぽい空気」を醸しているような。


簡単に「幸せ」になれる人間というのは、なんだか薄っぺらで、バカにされそうですけれど、ぼくは「すぐに幸せになれる」というのは一種の能力だと思います。生存戦略上、この能力は明らかに有利です。

内田樹「疲れすぎて眠れぬ夜のために」


明日からまた仕事ですしね。
少しでも風邪が良くなるように、続きでも読みながら幸せな休日を過ごすことにします。

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)

疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)