心の雑草

「げ」と申します。「旅=人生」というライフスタイルをめざして、心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

アンブローズ・ビアス「悪魔の辞典」 感想

新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)

新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)

アンブローズ・ビアス著、西川正身編訳 「新編 悪魔の辞典」を読み終わった。


この本をなんとカテゴリーすればいいかというと、やっぱり「辞書」なのだと思う。

端的にいうといろんな言葉に対してブラックユーモアと遠慮ない現実とで改めて言葉の意味を再定義していった、「好きな人はとことん好き」みたいな作風の短編小説家ビアスの著作。その日本語訳である。


おもわず唸るような訳がビシッとされている言葉に出会うと、にやけてしまうような本。

世の中に対して斜に構えているような人はハマると思う。
とりあえず私が気に入った訳をいくつか紹介しよう。

悪人

人類を進歩させて行く最も重要な要因。

開幕からたまらない訳の登場。
パソコンやインターネットが現在これだけ進歩しているのって、戦争時の情報戦研究の結果だったりするのだが、まあ端的に言ってしまうと「戦争がなかったらこうしてブログなんて書いていない」可能性もあったわけだな。

良いか悪いかはまた別問題として、時に悪というものは人類を急激に先に進めるのである。思えば私の好きな織田信長という人物もそうだったかもしれない。

学識

学問に勤勉な者の特色である一種の無知。⇒博識

勉強だけできても役に立たねえぞーっていう。むしろ学問によって「学問ではない何を知るのか」が大切なのかな、とか思ったり。

常に真実を語る

口がきけず、かつ読み書きができない。

これ凄いと思うわ、いろいろ。ちょっと言葉にできないものがこみ上げた。

忍耐

小形の種類の絶望。ただし、美徳に偽装している。

非常に核心をついていると思う。耐えることは美しいっていうのは、もはや刷り込まれた固定概念みたいなところあるし。
違うルートがあるなら迂回すればいいじゃんってことを教えてくれる。

用心深い

耳にすることの十パーセントを、読むものの四分の一を、そして目にするものを半分しか信じない奴。

ほめ言葉じゃん。言われてみたい。




こんな感じで、結構な具合で考え方に一石を投じてくる本だった。
ここに紹介した以上にえげつない訳もたくさんあるので、気になった方は読んでみて欲しい。


「弱さ」の訳とかけっこうたまらんですよ、はい。