心の雑草

「げ」と申します。「旅=人生」というライフスタイルをめざして、心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

「抜刀術」のちょっと面白い話

おはようございます、「げ」です。


日本刀.jpg / Racious

自分は勝新思い付きますけど、今の人たちだと「るろうに剣心」のほうがぱっと出てくるでしょうか。

ロマンあふれる技術ですよね、抜刀術。普通に考えたら不可能を可能にする技術体系ですし、おそらく欧米人では絶対に発生しなかった技法だと思います。完全に身体の方を刀に合わせるようにして生まれた技術ですし。


家に模造刀があることもあって、最近は動画や本を読みながら抜刀術をしたりしています。ぶっちゃけ独学だから、動きによくない癖つきそうだけど。

まあ、そんなこんなで調べるうちに深まった、知ってそうで知らない「抜刀術」の雑学を紹介します。

【スポンサードリンク】



歴史

もうそもそも「抜刀術っていつから始まったんだよ」って人がほとんどではないかと。

抜刀術の開祖と呼ばれているのが、林崎甚助(1542?〜1621?)。
彼は幼い頃に父を殺され、仇討ちのために剣術を習い始めます。

そんな修行を続ける日々の中、「敵が至近距離で小刀を用いて突いて来た時、自分は鞘に納めた三尺三寸の長刀でどう対応するか」というそれはそれはエグいシチュエーションを己に課し考え始めるのです。
三尺三寸というと、約1メートル。時代劇などでみる刀は打刀といって60センチ程度ですから、アレの2倍近い長さと言えます。ひえー。
色々試行錯誤するけど上手いこといかない甚助。ある時林崎明神にて参拝、祈念すると、神様が「いいねー、私が力を貸してあげよう」ってな具合に力を貸してくれて、甚助は抜刀術の極意に開眼、後に「神夢想林崎流」と呼ばれる流派が誕生しました。……うーん、最後は神様なあたりあっけない。

ともあれ抜刀術を極めた林崎甚助。無事に仇討ちも果たすと、廻国修行しながら各地に弟子を取り流派は広まり、なんと70歳を越えた頃に再び廻国修行へ、そのまま行方は知れず……そんな生涯でした。


抜刀術と居合

知らない人からすると、「抜刀術」と「居合」って同じじゃね?となるんですけど、調べてたら正確にはちょっと違うことが分かりました、はい。
「居合」の「居」には「座る」的な意味があるようで、つまり居合は「座った状態からの抜刀技術」という側面があるようです。もっと根本からいうと座った状態での技術全般を指していたようですが、どの流派も座り抜刀を重視していたため次第にそれを指す言葉になっていったとか。
「居合」と「立合」として、分けて考えている流派もあるようです。

まあともあれ、広義的には「居合」と「抜刀術」は同じ時代ですが、自分としては「抜刀術」と呼びたい!そんなわけです。


抜刀雑学いろいろ

抜刀術は「速い」?

何故か「抜刀術は速い」みたいな刷り込みがあります。まあ確かに速いけれど、それは抜き身の刀を振り下ろすより速いってことではないですよね。剣心のせいでしょうか。
まず根底にあるのは「至近距離で相手は抜き身の脇差、自分は納刀状態の刀」という圧倒的不利をどうやってイーブン以上に出来るかというシチュエーションスパーなんです。
結果的に速く見えますが、抜刀術の本質はそこじゃないだろっていう。流派によっては身をかわしながら抜刀、そのまま腕を斬るみたいな技もありますしね。

とはいえ普通に抜くよりははるかに速いのは確かで、「普通の人が10かけてやることを、我々は6か7でやるんです」みたいなカッコ良い言葉もあります。
自分の感覚ではありますが、これは省略しているのではなくてプロセスを統合していると思われます。抜刀なんて精妙な動きに省略できる部分はないですって。
1→2→3→4→5
であるところを
1→2→(3・4)→5
にするような感覚でとらえています。

「二段抜刀」という技術があって、これは刀を抜く動作、鞘を引く動作を組み合わせることで抜刀までの速度をたかめているわけですが、まあそういうことですよね。

抜刀術は「威力がない?」

抜刀術は役立たない理論の一つに、「抜いてそのまま斬ると、片手で持ってるから威力がない」みたいなものがあります。
なんかねー、素人ながらも日本刀がどういうものか分かってますか?と言いたくなる指摘ですよね、これ。

日本刀は一言で言ってしまうと「重さ1キロ超のカミソリ」なんですよね。触れたら斬れます。そのくらい鋭いものです。
そんなもん片手であっても、弾くように鞘から発射されたら十分過ぎる殺傷能力だと思うんですけどね。

あとそもそも抜刀術、抜いたら素早く両手で持ちなおしてから斬る技がほとんどなので。上のような指摘をする方は漫画の知識だけな気が致しますので、一度動画を見ていただけるといいかと思います。


という感じで、調べれば調べるほど奥が深い「抜刀術」。実際に刀を振るっていると、気も引き締まり身体も目覚めていくような気がします。

やっぱり武術って素敵だなあ。

合わせて読みたい

古式抜刀術―戦国時代の居合

古式抜刀術―戦国時代の居合

合わせて観たい
日本の古武道  関口流抜刀術 [DVD]

日本の古武道 関口流抜刀術 [DVD]

合わせて巻いたあと斬りたい