心の雑草

「げ」と申します。心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

阿頼耶識の発見 感想

久しぶりに真面目な本の感想をば。



横山紘一著 「阿頼耶識の発見」です。

唯識とは、『西遊記』で知られる玄奘三蔵がインドから中国に伝えた仏教思想の根本。それは「人生で起こるどんなことも、心の中の出来事にすぎない」という教えであり、執着や嫉妬、怒り、絶望、失敗はすべて心の深層部の仕業だと説く。この心の最深部を「阿頼耶識」と呼ぶ。心の表層に生じる感情や思考は、阿頼耶識にもれなく蓄積され、それが無意識のうちに表情や体調となって現れ、美醜にも影響する。表層と深層が常にリンクするという心の構造がわかると、シンプルに強く生きられる。ストレスの多い現代人に向けた心の教科書。

いやー、Evernoteのおかげで本の紹介文がはかどります。



この時期に出会ったのが半ば運命的なほどに、自分の好きな哲学者であるバークリーと考え方が似ていると感じました。
ただの独我論ではなく、それぞれ個人個人の世界を認める「一人一宇宙」という考え方もそっくり。



さて、内容は仏教の基本的な考え方を分かりやすく説明してくれたものです。
とはいえ、ちょっと文章全体を見返すとまとまりがないような。内容というか、書く順番などの意味で少し読みにくかった感があります。



深層心である「末那識」と「阿頼耶識」。
自我執着心である「末那識」。これが厄介。
感情や意識などが介在しない、末那識より根底にある「阿頼耶識」へと近い場所を目指すと、世界が変わっていくみたいな。



うーん。そうですね。
「あいつに張り手されたわーなんかムカつくわー」が末那識。
「いま目の前の男に張り手をされました」が阿頼耶識
……違う気がする。



阿頼耶識を研ぎ澄ませて行くと、とりあえず心は平穏になる気がします。
ありのまま、現象を「自分」を介さずに受け入れる。
いいですねー。



その時やっていること「それ自体」に集中していると、阿頼耶識に近づくみたいですよ。

豆知識〜。
本書で紹介されてた「息を吸い、息を吐くことそのものに集中していく」ってのを寝る時にやると……。
素早く眠れます。
地味に、これが阿頼耶識への第一歩な気がするこの頃。