心の雑草

「げ」と申します。「旅=人生」というライフスタイルをめざして、心の雑草を抜いては肥料に変えていくブログ。

「ゴルゴ13」の名言をディープに考える

こんばんは、一歩です。献血のあとはゆっくり「ゴルゴ13」を読んでいました。ゴルゴは本当に勉強になります。




今回は各所で最も取り上げられているであろうこのセリフ。229話「ロックフォードの野望 謀略の死角」に登場します。

依頼人から「プロとしての条件」それも「あんたのような一流のプロと言われるようになる」条件を聞かれたゴルゴ。
答えたセリフは
「……10%の才能と20%の努力……
そして、30%の臆病さ……
残る40%は……“運”だろう……な……」

初見の人には「運が一番高いんかい!」と取られがちなこのセリフ。
しかしこの比率表をちゃんと見直せば、このセリフの奥深さが分かるってもんです。
このセリフを紹介するだけのブログやサイトは結構ありますが、意外と踏み込んで考えているところは多くありません。

今回の記事はこのセリフ一本で勝負だ!!



・40%という「運」のハードル
ゴルゴの認識によれば、運が40%を占める「プロ」の条件。
しかし狙撃成功率が99%を超える超A級スナイパーが、運を頼りにして仕事に当たるでしょうか。しかも自分の命もかかっているような仕事ですよ?

さあ、早速足し算していきましょう。それでゴルゴが言いたかったことは分かるはずです。



・「努力」と「臆病さ」で運を超える
ゴルゴによれば努力が20%、臆病さが30%。この二つを徹底して極めれば、50%となり運の40%を超えますよね。

臆病さは用心深さ。ゴルゴの職業柄、30%は当然の数値と言えます。
ここに類まれなるゴルゴの努力が加わることで、全体の半分は運ではなく「実力」によるものとなるのです。
ちなみにゴルゴは毎年山籠りしており、プライベートでは健康診断などもきっちり行っています。見習いたいですね。



・「才能」はわずか10%
一方ゴルゴによれば、プロの条件としての才能は10%。臆病さを足しても40%で、運と同等です。これでは信頼なりません。
「努力>才能」のパワーバランスが絶妙。いかに才覚に溢れていても、努力を怠れば死あるのみです。私たちの実生活でも肝に命じたいですね。



・最大限の積み重ねが産む60%が、残る40%を呼び込む
才能、努力、臆病さを丁寧に積み重ねているゴルゴ。その結果が40%の運を呼び込みます。
ゴルゴには持病があり、それは突然右手が痺れ動かなくなるというもの。引き金を弾けなくなったゴルゴは手榴弾で攻撃されます。(514話「再発・ギランバレー症候群」)
またある時は5分入っているだけで命を落とす、南極の海に突き落とされたこともあります。(516話「極寒の大地」)

それでもゴルゴが生きているのは、才能と努力と臆病さで「決して諦めない」から。
例えば南極海に落ちた時には、事前に「臆病さ」で用心深くドライスーツを着込んでおり、用意していたシャベルを引っ掛け陸に上がります。
とっさに経験から閃く「才能」で対策を練ったゴルゴ。心を折らずに黙々と生きる「努力」を積み重ねていきます。陸に上がったゴルゴは素早く穴を掘りペンギンを捕まえ、一緒に穴の中へ。暴れ回るペンギンの体温で暖をとりながらドライスーツを乾かし、嵐が過ぎたあとはアザラシの血と肉を食糧にしながら南極を徒歩で進むのです……ただ依頼を遂行するために。

瀕死になりながらも進んできたゴルゴに、ようやく40%……運が味方します。海に落とされる直前に知り合った女性と再開し、助けられたゴルゴ。介抱により回復した彼は、きっちりと仕事を完遂します。

たとえ運が向いていなくても、自力の積み重ねである残りの60%でカバー。運が向いてくるのをじっと待つのです。それがゴルゴの強さかもしれません。



・ゴルゴに敗れた者たちは、「運」以外の何かが足りなかった
ゴルゴ13の中でも屈指の名作と呼ばれる、349話「バイオニック・ソルジャー」に登場する敵、ライリー。
彼はアメリカの秘密プロジェクトで生まれた「完璧な兵士」でした。
優秀な父親の精子を優秀な母親の卵子に人工授精させることで生まれたライリー。凄まじい訓練とドーピングにより、人間を超える身体能力を手にいれます。

ゴルゴが放った弾丸を、撃たれてからかわすという恐るべき超反応のライリー。「才能」はゴルゴを上回り、「努力」も変わりません。それどころかドーピングがその努力を後押しし、ゴルゴ以上といえます。

それでも彼が敗れたのは「驕り、昂り」。ゴルゴが言う「臆病さ」が足りなかったからです。
「データも戦況も、自分の方がゴルゴよりもずっと有利である」という油断、過信。それがライリーの命取りでした。
結局ライリーのドーピングを見切ったゴルゴは、薬物による聴覚の強化を逆手にとり聴覚を破壊、その隙を突いてライリーを仕留めます。

ゴルゴど同等の射撃センスを持っていながら敗れた者たちはたくさんいます。彼らは「才能」に溺れたり「努力」をおろそかにしたり、ライリーのように「臆病さ」を忘れたりして、勝てたはずの戦いに敗れていったのです。


・最後に
ゴルゴが言う「プロ」の条件。考えれば考えるほど合点がいくパーセンテージです。
10%の才能。
20%の努力。
30%の臆病さ。
40%の運。

このバランスを定期的に思い出して、ゴルゴのようなパーフェクト・ヒューマンを目指しましょう。


ゴルゴの生き様はこちらから。

「ロックフォードの野望 謀略の死角」収録

「バイオニック・ソルジャー」収録

「極寒の大地」収録