実はゴルゴ13を結構読んでまして、たまーにこうやって面白い話を紹介してみようかな、と。
今回は文庫版86巻「メデジン・カルテル」に収録されている、「ブラックジャイアント伝説」です。
ロックフェラーの隠し油田がとある農場の地下にあり、ロックフェラーの命を受け、父の代からそれを守る農場主。
農場主から依頼を受けたゴルゴは、隠し油田を狙う勢力を地下の油田施設で見事に迎え撃つ……。
ここまではまあありがちなんですが、ゴルゴは地下施設での銃撃戦の結果から「油田は存在しない」ということに気付きます。本当に油田があるならば、炎がもっと上がったはずだ……と。
それを聞かされた農場主。
そんな気はしていた、と漏らします。
本当に油田があるかは問題ではなく、「油田がある」という情報そのものが重要だった。その情報でロックフェラー家は石油の価値をコントロール出来るからです。
結局敵も、さらに守り続けてきた農場主さえも、存在しない油田=「ブラックジャイアントの伝説」のために行動していたのでした。
ともあれそのことから逆算し、敵の大元を割り出した農場主。それは日本の某銀行の頭取。
再度依頼を受けたゴルゴは、頭取の額を撃ち抜いた……。
ゴルゴのスーパーアクションよりも、ストーリーの深みで読ませる良作です。